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トランプ氏逆転勝利!!ネタ的人物からアメリカ大統領へ

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トランプ氏

8日に実施されたアメリカ大統領選挙において、共和党のドナルド・トランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補を破りました。ニューヨークの選挙本部で勝利宣言を行ったトランプ氏は、クリントン候補から電話があり、祝福されたことも明らかにしたそうです。

アメリカ大統領選挙が始まった段階では、トランプ候補は過激発言を繰り返しているだけの一種のネタ的人物と言う感じでしたが、あれよあれよと大躍進、共和党候補に選出され、繰り返し行ってきた過激発言や女性蔑視発言による逆風を跳ね返しての勝利となりましたが、選挙直前の予想ではクリントン候補の勝利確率90%等と言う予想があった中での大逆転勝利という事になろうかと思います。

東京株式市場での日経平均株価は大幅安となり、下げ幅は一時1000円を超え、8月4日以来3カ月ぶりの安値を付けた格好となりましたが、東証1部銘柄の実に97%が値下がりするという異常な状態でした。

日経平均の高値と安値の幅は1315円90銭で、ブレグジットショックの際の1525円16銭に迫ろうかと言う値幅となりました。

また、本日の寄り付き時点でのドル円相場は、105.134でしたが、一時101.180まで下落、この記事を書いている11月9日18:00の段階では、103.100近辺での値動きになっています。

暴露大会を制したのはメッセージの強さ

今回の大統領選挙は、政策を闘わせるというよりも、トランプ候補の過去の女性蔑視発言やヒラリー・クリントン候補のメール問題、夫のビル・クリントン元大統領の過去の女性問題等々と言ったスキャンダルの暴露大会的な側面もあり、アメリカの大統領選挙としては異例な展開であったように思います。

ヒラリー・クリントン候補は夫が元大統領であるだけでなく、彼女自身の過去のキャリアも非常にきらびやかなキャリアを持っています。ハッキリ言って、これほどのキャリアを誇る女性は世界でも五指に満たないのではないかと言うほどのキャリアと言えます。

それほどのキャリアを持ち、アメリカ史上初の女性大統領と言う人々の夢や期待を背負ったヒラリー・クリントン候補でしたが、政策が暴言に近いさえ言えるトランプ氏の前に屈する形となりました。

トランプ氏は、政策や言っている事が暴言に近い部分があり、それ故に世界的なレベルでの批判にさらされてきましたが、(トランプ氏が考える)アメリカの国益の為には何でもやってやるぞと言うメッセージの力強さはあったという事は言えます。それがアメリカ国民の心に響いて勝利出来たのかどうかは分かりませんが、『声が大きい方がケンカに勝った』と言う事は出来るのかも知れません。

トランプ氏は過激政策を実行できるのか?

トランプ氏の政策については、以前まとめた事があるので、その記事を見て頂ければと思いますが、トランプ氏はこれまで、数々の過激政策を訴えてきました。

ですが、これらの過激政策は一種のパフォーマンス的な側面もあり、実際に実行できるのか?と言うと怪しい部分もあります。

トランプ氏が政権中枢のスタッフを固めて行く過程では、これまでのようなパフォーマンス的過激政策ではなく、現実的な政策を打ち出してくるという事も予想されます。

トランプ氏は米国内企業の法人税率の引き下げを目論んでおり、その分の原資を防衛費削減で捻出しようとしている事から、日米同盟についても米軍のコスト負担増大を要請してくる事はほぼ確実かと言うように思えます

為替については、中国や日本の通貨安指向に対して批判的な立場であり、安倍政権・黒田日銀にとっては、難しい局面が待ち構えていそうです。

ただ、仮にトランプ氏ではなく、ヒラリー・クリントン氏が大統領になっていたとしても、アメリカがドル高を容認するという想定をする事は無理があり、安倍政権・黒田日銀がの円安誘導を続けて行けるかと言うと、どちらにしても困難だったのではないかと思います。

トランプ氏自身はドル安志向であり、選挙戦の中でドル高を容認しない発言を繰り返し、利上げ路線を推進してきたイエレンFRB議長を更迭すると発言した事もあります。トランプ大統領の誕生によって、イエレンFRB議長の任期前の早期退任の可能性も無いとは言い切れないような気がしますが、もし、そうなればアメリカの金融政策が一変するという可能性も有ります。

政治がどうであろうともトレーダーはチャートに従うのみ

思えば、イギリスのEU離脱を巡る国民投票も直前まで残留派優勢と言う情勢でしたが、蓋を開けて見ればEU離脱と言う結果となりました。

今回のアメリカ大統領選挙も直前までクリントン候補優勢と言う情勢から一転してトランプ氏の勝利となりましたが、来年、欧州ではドイツやオランダの議会選挙やフランスの大統領選等が予定されており、極右政党の躍進が取り沙汰されています。

こうやって見て行くと世界的に政治の不透明感というモノが感じられますが、我々トレーダーは、チャートに現れた事実に従って行くのみです。

日々チャートを見つめ、チャートに現れた事象に沿ってポジションを傾けて行くという姿勢を忘れずに相場と向き合って行かなければなりません。