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ロウソク足分析上級編~複合線の読み方~複数のロウソク足から1本のロウソク足を作る

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これまで、単線の見方を書いてきました。上級編として複合線の見方を書いて行きたいと思います。

単線と同様に形状・フォーメーションを丸暗記する事に大して意味はありません。重要なのは、値動きから投資家心理を洞察する事ですので、その点をはき違えないようにしましょう。

複合線と言うと『三川宵の明星』等と言ったクラシックな感じの名称のフォーメーションが多く、とっつき難く難しそうに感じるかも知れませんが、難しく考える必要はありません。

複合線を見る時の基本は、複数本のロウソク足を1本のロウソク足にした時の形をイメージする事です。裏を返すと上位の時間足を見れば事足りるという事でもあるのですが、この視点が身に付くと1枚のチャートを見ているだけでも、無意識にマルチタイムフレームで値動きを考えるという境地に達します。

今回は代表的な2つのパターンを説明しつつ、複合線をどう捉えれば良いのかを説明して行きます。

はらみ線

形状としては、まず最初に大きく値を下げ、次の足で大きく値を戻す展開となった形状となります。なお、最初の大きな陰線が陽線の逆パターンもあります。それについては脳内変換して読んで頂ければと思います。

この場合では、一本のロウソク足にした時、下ヒゲが長い陰線になります。しかし、この状態ではまだ本格的な買い出動は時期尚早と言えます。なぜなら、ここから戻り売りが入って最初の大きな陰線の安値を更新して行ってしまう事も考えられるためです。

従ってはらみ線が出た場合の対処法としては以下のような対処が考えられます。

1.最初の大きな陰線の安値・高値をブレイクしたら、ブレイクした方向について行く

これが基本的な対処となります。いわばブレイクアウト手法の最小単位と言っても良いと思います。ただ、ブレイクアウト狙いはすべからく勝ち難いという側面もありますので、出来ればブレイクアウトする前に仕掛けたい所です。それが2のやり方になります。

2.はらみ線完成後、戻り売りが失敗したタイミングでロング

この対処は、戻り売りの失敗を確認して入って行く形になります。まず、1本目で大きな陰線が出ます。2本目で値を戻し、3本目で再度安値を試したものの安値を更新出来ず跳ね返されたような値動きの場合、戻り売りに失敗してるという事が言えます。売り意欲の減衰が見て取れますので、ロングを仕掛けるタイミングとなり得ます。この場合、最初の陰線の高値付近にレジスタンスがあるという事を頭に入れておく必要性があります。

抱き線

形状としては、小さく下げた後、一本前のロウソク足をつつむように上昇した形となります。なお、最初の足が陽線で2本目が陰線の逆パターンもありますが、それについては脳内変換して読んで頂ければと思います。

抱き線を一本のロウソク足に直して見ると下ヒゲの長い陽線となります。もしこれがサポートラインの近辺で出現した場合には、買い出動を前向きに検討しても良い状態と言えます。強力なレジスタンスラインがすぐ上に迫っている等と言う状態でもない限り、買いを考えましょう。

ロウソク足の本数が増えても基本は同じ

上記の2パターンが複合線を見る時の基本的な形になります。ロウソク足が3本になれば、3本を併せて1本のロウソク足を作り、4本になれば4本を併せて1本のロウソク足として見て行くだけですので、難しく考える必要はありません。

慣れない内は、1時間足を見ているなら、4時間足の形状がどうなっているのかを併せ見たりしても良いと思いますし、MT4を使っているなら1時間足に日足を表示してくれるようなインジケーターもありますので、そういったものを使用しても良いでしょう。

こうする事で、複数のロウソク足が示す投資家心理を洞察する事が可能になります。

全ては水平線が引けてこそのもの

基本的には反転するかどうかを判断する為に利用するものであるのですが、だからと言ってこういった形が現れたらのべつまくなしにエントリーをすべきものではありません。環境認識として、サポートライン・レジスタンスラインを引いた上でその近辺での反転を捉える為に利用するべきものだという事を忘れてはなりません。

判断に迷った時には、その部分のロウソク足を束ねて一本のロウソク足とした時にどういう形状であるのかを見て行く事で状況を単純に捉える事が出来ます。

フラクタル構造を無意識に感じる

よく相場はフラクタル構造等と言いますが、1時間足24本を1本のロウソク足にしたものが日足です。

複合線を分析するという事は、マルチタイムフレームで分析をしているのとほぼ同義です。それを意識的にしているか無意識にしているかは別として、複合線を読めるようになると無意識であっても相場のフラクタル構造が見えるようになってきます。

このレベルまでくれば、複数時間足を併せ見るマルチタイムフレーム分析を1枚のチャートで出来てるというレベルに到達したという事が出来ます。

書籍やブログなどで『複数時間足を見ろ』という事は良く言われる事ですが、これをウマくトレードに活かしているトレーダーはそれほど多くないように思えます。

複合線を読めるようになる事で、自然とそれを有効に活用する目も養われてきます。

ロウソク足は単純なようでいて、非常に奥深いものです。ロウソク足1本づつの見方を掘り下げ、それを応用して行く事で複数時間足をも見通す事が出来る非常に稀有なテクニカル分析ツールです。

そのように深い分析も、ロウソク足1本をどう読むかと言う基礎があってこそのものです。逆に言えば、その基礎が出来ていればロウソク足だけで相場を深く分析する事が出来るとも言えます。私はFXに正しい勉強法は無いと思っていて、勉強と言うレベルを超えて研究と言うレベルに到達し得た人が勝つ世界だと考えています。それでも、あえて言えばロウソク足の『勉強』をする事は、勝ちへの近道であると言えると思います。