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欧州FXにBO禁止とレバレッジ規制。気になる海外FX業者各社の対応は?

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欧州では、2017年12月から欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority 以下、ESMA)が提案していたFX、CFD等の金融商品に対する規制の内容が決定し、2018年7月30日から実施される運びになっています。

ESMAによる規制内容

今回の規制の内容を見ていくと以下のような内容になっています。

1. バイナリーオプションの禁止

今回の規制の最大の目玉と思います。

これについては、これまでフランスなどの欧州圏の国々で、キプロスのバイナリーオプション事業者が様々な問題を起こしてきたことが原因で、この問題事業社を欧州圏から締め出す事が眼目のように思われます。

バイナリーオプションが禁止される事で、この問題事業社は廃業せざるを得ない状況になっているようです。

2. レバレッジ規制

2018年8月1日より、商品毎に以下のようなレバレッジに規制されます。

商品の種類 レバレッジ
メジャー通貨ペア(主要FX通貨) 30倍
マイナー通貨ペア(マイナーFX通貨) 20倍
メジャー株価指数(主要インデックス) 20倍
マイナー株価指数(マイナーインデックス) 10倍
ゴールド(金) 20倍
その他コモディティ 10倍
個別株式 5倍
仮想通貨 2倍

3. ロスカットレベルの統一

投資家のポジションをクローズする(=ロスカットレベル)を50%以上に標準化。

4. マイナス残高保護の義務化

いわゆるゼロカットシステム(=追証ゼロ)が義務化されます。

これによって、投資家が追証でどえらい借金を作ったりすることがなくなります。

5. インセンティブトレードの禁止

海外FXブローカーに付き物のボーナスが禁止されてしまいます。

あらゆる種類のボーナスがなくなりますので、証拠金をブーストするような仕組みは使えなくなるという事になります。

6. 顧客の損失レベルをリスク報告書に追加

海外FXブローカーの対応

投資家の皆さん方の興味は、『これで何が変わるの?』という事になろうかと思われますが、主要な海外FXブローカーは数年前から『EU圏内の金融ライセンスの運営会社 → EU圏外の金融ライセンスの運営会社』へと日本人顧客の口座を移したり、そうなるように誘導してきており、実質的な影響はほぼないと言えそうです。

XM

弊ブログでも広告を貼っているXMですが、XMは以前から顧客の口座を「キプロス口座」→「セーシェル口座」に移行・誘導していました。

今となれば、これを見越した対応だったのかとも思いますが、既にEU圏外の口座になっており、今回のESMA(欧州証券市場監督局)のレバレッジ制限は対象外で、最大888倍のレバレッジを掛ける事が出来ます。

ただ、一部相当以前に口座を開設した場合、口座移行の手続きが必要な場合があります。

XM公式サイトからログインして『移行の案内』が来ている場合には移行の必要性がありますので、移行の手続きを行いましょう。

IronFX

IronFXでは『キプロス口座』・『イギリス口座』・『バミューダ口座』の3つの口座を開設する事が出来、『キプロス口座』・『イギリス口座』は欧州圏内の為、今回の規制の対象となりますが、『バミューダ口座』は規制の対象外となります。

『キプロス口座』・『イギリス口座』でトレードしている場合には、『バミューダ口座』を開設しておくと良いかと思います。

FXPro

規制の影響を受けます。

レバレッジ以外の理由でFXProを使っているのではない場合は、他のブローカーへの乗り換えを検討した方が良いと思います。

猫も杓子も規制

レバレッジ規制に関しては、日本でも議論がされており、一時は10倍になるといった話にもなっていました。

欧州でもこういった動きが出たわけですが、世界展開している海外FXブローカーにとってはあまり大きな影響がなく、むしろハイレバレッジを求めるトレーダーの流入によって、ビジネスチャンスといった状況になっています。

今回の欧州の規制では、ゼロカットが義務化されるのは評価に値すると言って良いと思います。

日本の場合はゼロカット(=追証ナシ)の議論すらされていない事を考えれば、雲泥の差と言えようかと思います。