フィルタリングした価格にもとづく移動平均線を表示するMT5インジケーター「fir_filter」
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テクニカル分析において移動平均線はよく使用されるインジケータの1つで、MT5にも標準で移動平均線がインストールされています。
「fir_filter」は、 Hann Windowという係数でフィルタリングした価格を用いて算出した移動平均線を表示するインジケーターで、次のような方に向いています。
ノイズの少ない移動平均線を探している方
MT5標準の移動平均線が自身に合わないと感じている方
移動平均線をよく使用する方
上記のような方のためにこの記事では、「fir_filter」について解説します。
fir_filterの概要
「fir_filter」を起動するとチャート上に赤いラインで移動平均線が表示されます。
算出方法は異なるものの、一般的な移動平均線と同じように使用することができます。
「fir_filter」の算出方法は以下の通りです。
w=0.5-0.5×((2×円周率×N+1)/(「Per」+1))のコサイン
wsum=wのN期間の合計
x=価格×w
fir_filter=x/wsum
同じ算出期間の単純移動平均線と比較すると、フィルタリングが行われている分「fir_filter」の方が滑らかなラインを表示します。
ノイズが少ないため、単純移動平均線でダマしのシグナルが頻発するような時は、「fir_filter」を替わりに使用してみると良いかもしれません。
fir_filterを表示する方法
まずはインジケーターを入手しましょう。下記リンクからダウンロードして下さい。
fir_filterのダウンロード先は以下となります。
※幣サイトではなく別サイトへのリンクが開きます。
MT5のインジケーター追加(インストール)の手順を説明ページを作ってみました。追加(インストール)手順が分からないという方はご参考下さい。
fir_filterのパラメーター解説
インジケーター挿入時または表示済みのインジケーターを右クリックで表示されるウィンドウの「パラメーターの入力」から設定できます。
「fir_filter」のパラメーターは、インジケーターの算出期間を設定する項目のみのシンプルな構成になっています。
入力項目 | 入力内容 |
Per |
期間 初期値:50 インジケーターの算出期間を設定します。 |
「Per」はインジケーターの算出期間を設定するための項目で、設定した値に応じてインジケーターの価格に対する反応速度が変化します。
大きな値に設定するほど、滑らかな移動平均線が描写されますが、短期的な値動きへの反応が鈍くなります。
小さな値に設定した場合は、短期的な値動きへの反応が俊敏になりますが、その分ノイズも多くなります。
まとめ
「fir_filter」について解説してきましたが、ポイントをまとめると以下のようになります。
移動平均線がベースになっている
価格をHann Windowでフィルタリングしている。
単純移動平均線と比較するとノイズが少ない。
「fir_filter」はノイズが少ない移動平均線を、探している方に向いているインジケーターです。
単純移動平均線のノイズに悩まされている方にとっては、試してみる価値のあるインジケーターといえそうです。
MT5に標準でインストールされている移動平均線が、自身に合わないと感じている方は、一度試してみてはいかがでしょうか。