米早期利上げ観測も、欧州の政治リスクがじわじわ顕在化
更新日時:2017年02月22日 07:20
2月21日の為替市場では、クリーブランド地区連銀のメスター総裁は『米経済が現在の状況を維持するなら、利上げに不安はない』と表明、フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁も『3月利上げは検討課題だ』との見方を示す等、FRB(米連邦準備理事会)高官のタカ派的な発言が続き、早期利上げ観測が高まりました。
また、3月と4月にはそれぞれオランダの総選挙とフランスの大統領選挙第1回投票が予定されており、共に反EU政策を掲げる候補が支持率においてリードしている為、ユーロの上値は重い展開が続いています。
トランプ政権の経済政策やFRBの金融政策・利上げ時期に注目が集まっていますが、このまま反EU政策を掲げる候補が優勢のまま推移していくような事があれば、来月はユーロ圏の政治リスクに注目がシフトして行くのではないかと思われます。
ドル/円
上の画像はドル/円1時間足チャートです。
【ドル/円の値動き】
始値:113.068
高値:113.771
安値:113.068
終値:113.668
+60.0pips(高値から安値:70.3pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
113.105~113.454
チャート画像緑の点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯でしたが、2月21日の値動きによって上方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
114.851
チャート画像ピンクの点線
中期トレンドの高値。
2月21日のドル円相場は、上昇の流れでの推移となりました。
中期トレンド(オレンジ色の波)はトレンドレスの状態にありますが、昨日の値動きによって、短期下落トレンドのラスト戻り高値を含む『113.105~113.454』の抵抗帯を上方にブレイクしており、更にチャート画像白い楕円の部分において、サポレジ転換したかのような値動きをしています。
『113.105~113.454』の抵抗帯を上方にブレイクした事を受けて、上限の『113.454』辺りで買って行くというトレードはアリかと思います。
その場合、2月15日~2月17日の下落過程(チャート画像赤い楕円の部分)において、20pipsにも満たないような細かい抵抗帯をいくつか形成している事から、戻り売りが入ってくる可能性も有りますので、戻り売りを警戒しつつ114.851を超えてけるかを見て行くという事になろうかと思います。
ユーロ/円
上の画像はユーロ/円1時間足チャートです。
【ユーロ/円の値動き】
始値:119.987
高値:120.305
安値:119.550
終値:119.754
-23.3pips(高値から安値:75.5pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
119.381
チャート画像青い点線
中期下落トレンドの直近安値。
119.987~120.182
チャート画像緑の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯でしたが、2月21日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性有。
120.344
チャート画像ピンクの点線
中期下落トレンドのネックライン。
120.751~121.217
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
121.227~122.429
チャート画像ピンクの実線のボックス
中期下落トレンドの抵抗帯。
2月21日のユーロ円相場は、東京時間序盤までは上昇の流れで推移しましたが、その後は一転して下落の流れでの推移となりました。
中期トレンド(オレンジ色の波)は下落トレンドの形状にあります。
チャート画像赤い楕円の部分が昨日の高値となりますが、『120.344』のレジスタンスラインに届かずに下がって行っています。『120.344』のレジスタンスラインに届いていれば逆張りをするチャンスもあったかと思いますが、ここを捕まえるのは現実的には難しかったのではないかと思います。
現実的にはラス押し安値を含む支持帯を下抜けて戻ってきたタイミングである白い楕円の部分でのショートが入り易かったのではないかと思われます。ここでのショートであれば、短期上昇トレンドが終わった事を確認してから入れる上、プルバックも入っているのでエントリーポイントとしては分かり易かったように思われます。
ユーロ/ドル
上の画像はユーロ/ドル1時間足チャートです。
【ユーロ/ドルの値動き】
始値:1.06128
高値:1.06145
安値:1.05249
終値:1.05357
-77.1pips(高値から安値:89.6pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
1.05334
チャート画像青い点線
中期下落トレンドの直近安値。
1.06053~1.06244
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
1.06425~1.06545
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
1.06718~1.07012
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
1.07120~1.07498
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
1.08166
チャート画像ピンク色の点線
中期下落トレンドの直近高値。
2月21日のユーロドル相場は、下落の流れでの推移となりました。
東京OP後すぐに『1.06053~1.06244』のレンジを下方にブレイクして行っていますが、プルバックが入らずに下がって行ってしまった為、エントリーするのであれば飛び乗りで入るしかなかったかと思います。プルバックを待って入る人は入れなかった公算が高いのではないかと思います。
昨日の下落に関しては、中期トレンドの直近安値ラインの『1.05334』で一旦止まったかのような状態となっています。
このラインを下抜いて行けば、中期下落トレンドが継続していくという事になるわけですが、ここで切り返してしまうとダブルボトムになる可能性がある為、注意が必要です。
本日発表の経済指標等
本日は、以下のような経済指標の発表が予定されています。
18:30 【英国】 10-12月期四半期国内総生産(GDP、改定値)(前期比)
18:30 【英国】 10-12月期四半期国内総生産(GDP、改定値)(前年同期比)
19:00 【ユーロ】 1月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
21:00 【米国】 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
22:30 【カナダ】 12月小売売上高(前月比)
22:30 【カナダ】 12月小売売上高(除自動車)(前月比)
24:00 【米国】 1月中古住宅販売件数(前月比)
24:00 【米国】 1月中古住宅販売件数(年率換算件数)
28:00 【米国】 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に注目です。
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