英国で6月8日に総選挙~離脱交渉に向けた国内基盤強化が狙いか~
更新日時:2017年04月19日 7:54
メイ首相が18日、官邸前で選挙実施の意向を明らかにしました。英国は欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)を昨年6月の国民投票で決定したわけですが、離脱交渉に向けた国内基盤の強化が狙いと思われます。
ちなみに昨年の国民投票では、離脱に投票した人が52%、残留に投票した人が48%であり、僅かに離脱派が上回ったという結果でした。
『それじゃ、今回の選挙でひっくり返る可能性も有るんじゃないの?』という事に注目が集まるわけですが、今回は国民投票ではなく選挙なので、事はそれほど簡単ではありません。
現時点での下院の議席数(定数650)は保守党が330、労働党が229、スコットランド国民党54、自由民主党9の順で、「離脱を支持するなら保守党議員」、「残留なら離脱反対の政党の議員」のいずれかを選ぶという事になるわけですが、選挙結果によっては合従連衡が起こる事も想定され、スッキリとした結果とはならず、更なる混乱の可能性も有ります。
メイ首相は慎重な性格として知られる政治家なので、かなり高い勝算があっての決断と思われますが、その理由の一つは政権を担う受け皿となる野党がいない状態だという事なのではないかと思います。我が国と同様、野党がだらしない事に勝機を見出しているという事になりますが、選挙は水物なので、野党がどれだけ頑張れるかに掛かっているという事になろうかと思われます。
昨年のブレグジットの際の大暴落は凄まじい値幅が出ましたが、今回の選挙もサプライズ的な結果が出れば、その再来も十分にあり得るわけですが、どうなって行くか情勢に注意が必要です。
ドル/円
上の画像はドル/円1時間足チャートです。
【ドル/円の値動き】
始値:108.891
高値:109.214
安値:108.314
終値:108.404
-48.7pips(高値から安値:90.0pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
108.186
チャート画像青の点線
短期トレンドの直近安値。
108.362~108.580
チャート画像青の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯
108.749~10.279
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯
108.727~108.938
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯
108.918~109.082
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯
109.412~109.820
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯
110.165
チャート画像緑の点線
中期下落トレンドの安値のラインでしたが、4月11日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
110.244~110.757
チャート画像緑の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯でしたが、4月11日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
110.286
チャート画像緑の点線
中期下落トレンドの直近安値のラインでしたが、4月11日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
111.254~111.516
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯
111.468
チャート画像ピンクの点線
中期トレンドの高値。
111.746~112.487
チャート画像緑の実線のボックス
中期トレンドの支持帯でしたが、3月22日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
112.105
チャート画像ピンクの点線
中期トレンドの直近高値。
4月18日のドル円相場は、寄り付き~東京時間OP前後まで昨日の上昇を引き継ぐ形で上昇しましたが、その後は一転して反落、終日下落の流れでの推移となりました。
短期下落トレンドのラス戻り高値であった『109.279(チャート画像Aの赤丸の高値)』を上抜いて短期下落トレンドの流れを崩す事が出来るか?と言う事が注目すべき点であったわけですが、上抜く事が出来ずにチャート画像白い楕円の部分において、小型のダブルトップを形成し、短期トレンドの波形(青のラインで描いた波形)が高値・安値切り下げのダウ理論的に言う下落トレンドの形状に切り替わっています。
エントリーポイントとしては、ダブルトップのネックラインを下抜けた後、プルバックが入って戻ってきたタイミング(チャート画像Bの赤丸)の辺りでのエントリーが考えられました。
短期トレンド(青のラインで描いた波)の切り替わりを狙ってエントリーして行くトレードであったという事が出来ますが、ラス戻り高値を上抜いてから短期トレンドが切り替わったのか?ラス戻り高値を上抜かずに短期トレンドが切り替わったのか?と言う事によって、判断が変わってきます。
ラス戻り高値を上抜いてから短期トレンドが切り替わった場合、一旦、前の下落トレンドは終わっている為、エントリーを決断するにはそれ以外に何らかの根拠が必要となりますが、ラス戻り高値を上抜かずに短期トレンドが切り替わった場合、比較的決断はし易いと言えます。
ただ、下方には『108.362~108.580』の支持帯、『108.186』のサポートラインとロングの足掛かりとなり易いレベルが控えていますので、反発には警戒が必要です。
ユーロ/円
上の画像はユーロ/円1時間足チャートです。
【ユーロ/円の値動き】
始値:115.880
高値:116.481
安値:115.745
終値:116.321
+44.1pips(高値から安値:73.6pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
114.902
チャート画像青の点線
短期トレンドの直近安値。
116.011~116.463
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
117.042~117.395
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
117.422
チャート画像緑の点線
中期トレンドの直近安値でしたが、4月11日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
117.490~118.053
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
117.042~117.395
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
118.685~118.985
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
118.728~119.421
チャート画像緑の実線のボックス
中期上昇トレンドの支持帯でしたが、4月3日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
118.756
チャート画像ピンクの点線
中期トレンドの直近高値。
4月18日のユーロ円相場は、欧州時間以降に反発、116代を回復し、そのまま116代で引ける展開となりました。
短期トレンド・中期トレンド共に下落トレンドの形状にあり、戻り売りポイントを探していくような環境にありましたが、チャート画像白い楕円の部分において、小型のダブルトップのような形状を示し、一旦はネックラインを下抜けたものの結果的にはダマシとなって上昇して行っています。
ここを売るというエントリーもナシではなく、売ってしまっても良かったと思います。ここで売った場合、『115.965』の近辺で売る事になり、損切りは『116.163』の近辺~少し上におく事になりますので、損切りの位置によっては、戻ってきた時に建値で出られたという可能性も有ります。
ダブルトップに限った事ではありませんが、ダマシに終わった時、ダマシになったという事自体を根拠として仕掛ける事を『フェイクセットアップ』と言ったりしますが、ダマシにあって損切りが付いてしまった時、一番にやる事は落胆する事ではなく、潔く損切りした後にドテンを検討するという事で、エントリーするかどうかはケースバイケースとして、それを検討する癖を付ける事は非常に有意義と言えます。
今回の場合、ダブルトップがダマシになった事を受けて、買って行くかどうか?を検討するという事になるわけですが、その場合、買いを入れるとすれば、白い楕円で囲った部分の高値付近に戻ってきた時に買うかどうか?を検討するという事になります。
この時、懸念される点としては、『116.011~116.463』の抵抗帯の上辺『116.463』が控えており、ここで跳ね返される可能性があるという点になります。
この記事を書いている今現在の時点においては、同ラインを上抜けつつありますが、ここを上抜くかどうかはユーロ円のチャートだけの判断としては、運否天賦であると言えます。しかし、昨日の場合は、ユーロドルが非常に強い動きをしており、ユーロ主体の上昇であるという判断で買って行くという判断もナシではないと言えます。もっとも、ユーロドルが強いわけですから、素直にユーロドルを買った方が良いという事は言える訳ですが、迷いを生じた時はどの通貨が相場を引っ張っているのかを見極めるようにして行くと良いかと思います。
ユーロ/ドル
上の画像はユーロ/ドル1時間足チャートです。
【ユーロ/ドルの値動き】
始値:1.06418
高値:1.07352
安値:1.06365
終値:1.07296
-87.8pips(高値から安値:98.7pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
1.05739~1.05929
チャート画像青の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯。
1.05747
チャート画像青の点線
中期トレンドの直近安値。
1.05835~1.06041
チャート画像青の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯。
1.05926~1.06278
チャート画像青の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯。
1.06388~1.06626
チャート画像青の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯。
1.06412~1.06797
チャート画像緑の点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯でしたが、4月18日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
1.06700~1.06968
チャート画像緑の点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯でしたが、4月18日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
1.07085~1.07368
チャート画像緑の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯でしたが、3月30日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
4月18日のユーロドル相場は、欧州時間以降非常に大きく上昇、1.07代を回復して引けています。
買って行くのであれば、三角持合いを上方にブレイクし、同時に直近高値をブレイクしたチャート画像『A』の赤丸の時点と言う事になりますが、三角持合いをブレイクしたすぐ上に抵抗帯が2つ存在しており、そこを買って行く度胸があったかどうか?が問われた相場展開であったように思います。
結果論としては、買って行った方が良かったという事になりますが、抵抗帯の存在が見えている方にとっては、それほど簡単に買える相場ではなかったと言えます。結局、こういう時のベストアンサーは何か?と言う事になると一発目の上昇は見送って、戻って来てから押し目買いをして行くという事に落ち着くわけですが、最初からそういう腹積もりでいるのであれば、それもひとつの手ではあります。
買うにしろ売るにしろ、支持帯・抵抗帯が無いあるいは少ないフリーパスのゾーンを狙って行く事が勝ちへの近道でもありますので、支持帯・抵抗帯が錯綜しているような状況下では、見送るという事も時に英断となり得ますので、エントリー出来ずに伸びて行ってしまっても、平常心を失わないマインドを養う事が非常に重要です。
本日発表の経済指標等
本日は、以下のような経済指標の発表が予定されています。
17:00 【南アフリカ】 3月消費者物価指数(CPI)(前月比)
17:00 【南アフリカ】 3月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
18:00 【ユーロ】 2月貿易収支
18:00 【ユーロ】 3月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
20:00 【米国】 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
27:00 【米国】 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
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