見えると面白く見えないと厄介なX波~2016年10月21日の為替相場解説~
更新日時:2016年10月24日 10:25
ドル/円の解説
ドル/円の環境認識
チャート画像白い楕円で囲った部分の中期トレンド(オレンジ色のラインで引いたトレンド)は下向きの状態にありましたが、10月19日から始まった上昇によって、緑色のラインで引いた前回高値を微妙に上回り、上昇の流れに変化が生じています。
中期トレンドは、完全に上向きになったわけではありませんが、売りは様子見の相場環境にあります。
ドル/円の値動きの考察
チャート画像に引いた黄色のラインは10月19日から始まった上昇に対して、フィボナッチリトレースメントをあてたものです。
こうしてみると61.8%戻しラインを一度割り込んだものの下ヒゲとなって反発しているという事が分かります。
ロングを考えないでもなかったのですが、ユーロ円を見ると円安にはなっておらず、トレンドの判断として自信が持てない部分があり、ロングのエントリーは行いませんでした。
ユーロ/円の解説
ユーロ/円の環境認識
中期トレンド(オレンジ色のラインで引いたトレンド)は高値・安値共に切り下げる流れの中にあります。俯瞰すれば、木曜日にECBの金融政策イベントで長い上ヒゲが出たりと言った事はありましたが、中期トレンドの流れを崩す所までは至らなかったという事になるのかなと思います。
中期トレンドの波の頂点と底に振ってある数字はエリオット波動理論の波のカウントになります。こうしてみると現在5波進行中と言う状況にあります。そろそろ中期波形が折り返してくる事があるのかどうか注目して行きたいと思います。
ユーロ/円の値動きの考察
『A』~『B』にかけて、青いラインで引いた短期トレンドは高値を切り上げ、短期トレンドの下落の流れを崩したかに見えました。
中期トレンドの方向性は下落トレンドにありましたので、買いを考える局面ではありませんでしたが、結果的にはこれがダマシとなって下落して行っています。
エントリーポイントとしては、短期トレンドの前回安値(緑色のライン)を下方にブレイクして、戻ってきたタイミングの『EP1』でのショートが考えられたかと思います。このポイントは、短期トレンドの転換がダマシとなった後での前回安値ブレイクでしたので、割と狙いやすかったポイントなのではないかと思います。
逆に『A』~『B』にかけての高値切り上げを見て買ってしまった人は、最低限、短期トレンドの前回安値(緑色のライン)を下方にブレイクした時点で撤退しておく必要性があります。
ユーロ/ドルの解説
ユーロ/ドルの環境認識
10月17日~10月18日にかけての中期トレンドを見ると前回の安値を切り下げず、一旦、下落トレンドの流れに変化が生じたかのような波の形になりましたが、その後、再度下落トレンドへ回帰しています。
この事を踏まえ、中期の波に対してエリオット波動理論のカウントを振ってみるとチャート画像のようになるかと思います。
1つの前の下落トレンドの最後に『X波』が出て、『1』から再度、下落トレンドが始まったというように理解すれば良いのではないかと思います。
俯瞰すれば、緑のラインで引いた三角持合いだったと見ることも出来、チャート画像白い楕円の部分を見ると三角持合いの下側のラインがレジスタンスになっているように見えますが、ECBの金融政策イベントと重なっている値動きでもありますので、ここで売るのは現実的には難しかったのではないかと思われます。
ユーロ/ドルの値動きの考察
中期トレンドの方向性についていくという事を考えて行くという前提の相場でしたが、短期トレンド(青いラインで引いたトレンド)の方向性を見て行くとECBの金融政策イベント前は白い網掛けの部分のレンジを形成しており、ECBの金融政策イベントによって、同レンジを下方にブレイクしたと見る事が出来ます。
白い網掛けのレンジをブレイクして、発生した短期下落トレンドに対してエリオット波動理論のカウントを振ってみるとチャート画像のようになります。
2波の安値をブレイクして戻ってきたタイミングの『EP1』でのショートが考えられたかと思います。
イベント当日に無理に仕掛けずとも、仕掛けるチャンスは必ず訪れますので、イベントで無駄な損失を出さないように心がけましょう。
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