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ロウソク足分析中級編~小陰線・小陽線~特徴的な単線の意味をより深く知ろう

更新日時:2024年11月18日 04:35

前回は、強い売り意欲もしくは強い買い意欲を示す足形である大陰線・大陽線について、示す意味合いをまとめました。


今回は、価格が大きく動かなかった事を示す小陰線・小陽線についてまとめて行きたいと思います。


小陰線・小陽線にはいくつかの類型がありますが、名が示す通り総じて実体が小さいものを指します。


カラカサ



形状:陽のカラカサは実体が短くて下髭が長く上髭が無い陽線、陰のカラカサは実体が短くて下髭が長く上髭が無い陰線を指します。似たような形状のものに首吊り線やタクリ足と言ったものがありますが、下げトレンド中に出るとタクリ足、高値圏で窓が開いて出たカラカサを首吊り線と言います。


細かい名称はどうでも良いのですが、弊ブログでは『カラカサ』で呼称を統一したいと思います。


陰陽共に高値圏での出現は売りを安値圏での出現は買いを示唆するものとされています。


値動きの特徴としては、始値から下値を試してから切り返し始値より上で引けると陽のカラカサ、始値より下で引けると陰のカラカサとなります。

カラカサは出現した位置によって、見方が180度異なりますので注意が必要です。



まずは比較的分かりやすい安値圏で出現した場合(上の画像左側)について解説して行きます。


このケースでは、下落相場が続き最後に安値を試したものの大きく切り替えしてきた形であり、これまで売られてきた流れの転換を表しています。カラカサは下ヒゲが長いという特徴を持っています。下ヒゲが長いということは下落幅の大きさを示していますが、その下落分をほぼ回復したという形ですので、それだけの上昇パワーが強かったと言えます。この事から、安値圏における強力なサポートラインの存在を示していると考える事が出来、下落の流れの転換を暗示していると考えられるわけです。


次に高値圏で出現した場合(上の画像右側)について解説して行きます。


このケースでは、上昇相場が続き高値圏で下落したものの大きく切り替えしてきた形になります。


下落したのに始値近くまで戻したのだから、買い意欲が強いのではないか?と考えがちですが、そこに罠があります。まず、前提として上昇トレンドが続き『継続的に買われてきた』と言う状況があります。ここで『長い下ヒゲが出た』という事は、利食いや強力なレジスタンスラインの存在によって、一旦大きく値を下げる局面があったという事を示しています。


その後買いが入り、陽のカラカサの場合は始値の少し上、陰のカラカサの場合は始値の少し下まで戻しているわけですが、この買いは何を示しているのでしょうか・・・?


それは押し目買いが入ったという事を示しています。押し目買いが入った事で値を戻したと考えられるわけです。


まだまだ相場は上昇すると考えていたら、利食いをせずに持ち続けているわけですが、利食いが入ったという事は『そろそろ頭打ちかな?』と考えている投資家が多いという事を示しています。下ヒゲの長さは『そろそろ頭打ちかな?』と考えている投資家の多さを表していると考えられます。


『そろそろ頭打ち』と考えている人が増えてきているという事は、『そろそろ転換するのではないか?』と考えている人が増えてきていると考えられるわけですから、これまで続いてきた一方的な上昇の流れに陰りが出てきていると洞察出来、上昇の流れの転換を暗示していると考えられるわけです。


特に陰のカラカサの場合、押し目買いが入ったものの始値を超えられなかったという事を示している為、特に注意が必要になります。もしも、ロングポジションを持っている状況下で高値圏で陰のカラカサが出た場合は利食いを検討する必要性が強いと考えられます。


トンカチ



形状:陽のトンカチは実体が短く上ヒゲが極端に長い陽線、陰のトンカチは実体が短く上ヒゲが極端に長い陰線の事を指します。


陰陽共に高値圏での出現は売りを安値圏での出現は買いを示唆するものとされています。


値動きの特徴としては、始値から上値を試してから切り返し始値より上で引けると陽のトンカチ、始値より下で引けると陰のトンカチとなります。


トンカチは出現した位置によって、見方が180度異なりますので注意が必要です。



まずは比較的分かりやすい高値圏で出現した場合(上の画像左側)について解説して行きます。


このケースでは、上昇相場が続き最後に高値を試したものの大きく切り替えしてきた形であり、これまで買われてきた流れの転換を表しています。トンカチは上ヒゲが長いという特徴を持っています。上ヒゲが長いということは上昇幅の大きさを示していますが、その上昇分をほぼ帳消しにしたという形ですので、それだけの下落のパワーが強かったと言えます。この事から、高値圏における強力なレジスタンスラインの存在を示していると考える事が出来、上昇の流れの転換を暗示していると考えられるわけです。


次に安値圏で出現した場合(上の画像右側)について解説して行きます。


このケースでは、下落相場が続き安値圏で上昇したものの大きく切り替えしてきた形になります。


上昇したのに始値近くまで戻したのだから、売り意欲が強いのではないか?と考えがちですが、そこに罠があります。まず、前提として下落トレンドが続き『継続的に売られてきた』と言う状況があります。ここで『長い上ヒゲが出た』という事は、利食いや強力なサポートラインの存在によって、一旦大きく値を上げる局面があったという事を示しています。


その後売りが入り、陽のトンカチの場合は始値の少し上、陰のトンカチの場合は始値の少し下まで戻しているわけですが、この売りは何を示しているのでしょうか・・・?


それは戻り売りが入ったという事を示しています。戻り売りが入った事で値を戻したと考えられるわけです。


まだまだ相場は下落すると考えていたら、利食いをせずに持ち続けているわけですが、利食いが入ったという事は『そろそろ底打ちかな?』と考えている投資家が多いという事を示しています。上ヒゲの長さは『そろそろ底打ちかな?』と考えている投資家の多さを表していると考えられます。


『そろそろ底打ち』と考えている人が増えてきているという事は、『そろそろ転換するのではないか?』と考えている人が増えてきていると考えられるわけですから、これまで続いてきた一方的な下落の流れに陰りが出てきていると洞察出来、下落の流れの転換を暗示していると考えられるわけです。


特に陽のトンカチの場合、戻り売りが入ったものの始値を超えられなかったという事を示している為、特に注意が必要になります。もしも、ショートポジションを持っている状況下で安値圏で陽のトンカチが出た場合は利食いを検討する必要性が強いと考えられます。


コマ



形状:上ヒゲ・下ヒゲが共に長く実体が短い陰陽線を指します。


陰陽共に持合いを示唆するものとされ、買い手・売り手共に迷っている状態を示しています。


陽のコマは、買いが若干優勢であるものの高値圏では売りの勢力がいる事を示し、安値圏では買い勢力が存在する事を示しています。陰のコマは売りが若干優勢であるものの高値圏では売りの勢力がいる事を示し、安値圏では買い勢力が存在する事を示しています。


上昇トレンドの最中に出現した場合には上昇傾向に一服感が出始めた事を示し、下落トレンドの最中に出現した場合には下落傾向に一服感が出た事を示しています。


基本的に売りとも買いとも言えないどっちつかずな状態を示していますので、コマ足を見て新規のポジションを建てる事はあまりおススメ出来ません。特にレンジの真ん中辺りでコマ足が出た場合には正に相場が迷っている状態と言えますので、そういう所で手を出してしまうと非常に難しいトレードを強いられますので、注意が必要です。


上ヒゲ陰線・下ヒゲ陰線



形状:上ヒゲ陰線は上ヒゲの長い小陰線、下ヒゲ陰線は下ヒゲの長い小陰線を指します。


チャートではよく見る形状で、小陰線の7割方がこのどちらかに分類される形状なのではないかと思います。


上ヒゲ陰線の場合、高値を試したものの高値圏では売りの圧力が強く、安値圏で終ったという事を示しています。高値圏での出現は、転換を暗示する事があり、安値圏での出現は下落トレンドの継続を暗示します。


下ヒゲ陰線の場合、安値を試したものの安値圏では買いの圧力が強く、かなり押し戻されて辛うじて陰線で終えたという事を示しています。ヒゲの長さがそのまま支持帯の強さを表し、ヒゲが長ければ長いほど買い意欲の強さを示します。安値圏で出現した場合には、上昇に転じる可能性を暗示します。


ヒゲの長さは、サポート・レジスタンスの強さを表しており、ヒゲの長さに注目する事が大切です。/p>

上ヒゲ陽線・下ヒゲ陽線



形状:上ヒゲ陽線は上ヒゲの長い小陽線、下ヒゲ陽線は下ヒゲの長い小陽線を指します。


チャートではよく見る形状で、小陽線の7割方がこのどちらかに分類される形状なのではないかと思います。


上ヒゲ陽線の場合、高値を試したものの高値圏では売りの圧力が強く、辛うじて陽線で終ったという事を示しています。高値圏での出現は、転換を暗示する事があります。


下ヒゲ陽線の場合、安値を試したものの安値圏では買いの圧力が強く、高値圏で終えたという事を示しています。ヒゲの長さがそのまま支持帯の強さを表し、ヒゲが長ければ長いほど買い意欲の強さを示します。安値圏で出現した場合には、上昇に転じる可能性を暗示します。


ヒゲの長さは、サポート・レジスタンスの強さを表しており、ヒゲの長さに注目する事が大切です。/p>

形状を暗記するのではなく形状の意味を理解する事が大切


長々と形状の解説をしてきて言うのもアレですが、形状を丸暗記しても実践の相場で勝つ事は出来ません。


ロウソク足に包含されているある一定期間内の値動きがどういったものであったか?という事から、ロウソク足一本一本が示す意味を読み取れるようになる事が非常に重要です。以前、同じような意味合いの事を言いましたが、チャートが文章だとすれば、ロウソク足一本は単語なのです。単語の意味が分からなければ、文章の意味を理解することは出来ません。逆に単語の意味さえ分かっていれば、文法が多少いい加減でも大意を掴む事が出来ます。相場において、大意を掴むという事は非常に重要で、大意が掴めていればかなり勝ちに近づく事が出来ます。


環境認識あってこそのモノである事を肝に銘じる


ロウソク足の足形には、転換を暗示するものがいくつかあります。


それらの足形は、それが出たら絶対反転というモノではありません。大体の場合で『安値圏での出現の場合』や『高値圏での出現の場合』と言った条件のようなものが付加します。相場が高値圏にあるのか?安値圏にあるのか?という環境認識をしっかりと認識した上で水平線を引き、サポートライン・レジスタンスライン近辺での値動きを詳細に見て行く事で、勝率が高まります。


逆に言えば、サポートライン・レジスタンスラインがしっかりと引けているという前提で、その近辺での値動きを見て、流れが反転するのか?あるいは流れが継続するのか?を百発百中で的中させられるのであれば相場を極めたと言って良く、神域に達したと言っても過言ではありません。


現実的にはそれは不可能ですが、精度を高めることは出来ます。


よく、木を見て森を見ず等と言ったりしますが、環境認識として水平線が引けるという事は森を見るという事であり、ロウソク足一本一本を詳細に分析するという事は木を見るという事であるという認識を忘れてはなりません。


ロウソク足一本一本の意味を読み取れるようになるのには経験が必要になってきます。最初の内は、サポートライン・レジスタンスラインをしっかりと引いて、サポートライン・レジスタンスライン近辺での反転を示唆する足形に着目して行きながら、その近辺でのロウソク足の値動きの意味を考察して行くと良いと思います。

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