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ダウ理論で目線を決める!もう迷わない。貴方のトレードを不惑の境地へ!

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今回は、ダウ理論で目線を決めるという事にフォーカスしてお話をしていきたいと思います。

ダウ理論は19世紀後半にチャールズ・ダウさんという方が提唱した理論で、今日も世界中のトレーダーさんに意識されています。

トレードをする為には、まず最初に買うのか?売るのか?を決める必要がありますが、その為には『トレンドを定義』する必要性があります。

トレンドを定義する為の基準がダウ理論であり、これによって目線を定める事が出来ればトレードにおいての迷いを払拭する事が出来ます。

ちなみに以前、ダウ理論全般について解説する動画を撮った事がありますので、そちらの動画も併せて見て頂けると参考になるかと思います。

ダウ理論におけるトレンドの定義

まず最初にダウ理論ではトレンドをどのように定義しているかを知らなければなりません。ダウ理論においては、トレンドの定義を以下のように定めています。

  1. 上昇トレンド=高値が切り上がり、安値も切り上がっている状態

  2. 下降トレンド=安値が切り下がり、高値も切り下がっている状態

これを図示したものが以下の画像になります。

ダウ理論におけるトレンドの定義

まずは、基礎の基礎として上記の上昇トレンド・下降トレンドの波の形を頭に入れましょう。

トレンドが認識できれば目線も決まる

トレンドを定義する事によって、トレード戦略の根幹である『目線』が決まります。

即ち上昇トレンドであればひたすらに押し目買いを、下降トレンドであればひたすらに戻り売りをしていきます。

目線が決まれば、トレードにおいて残された課題は『エントリータイミング』のみとなります。

ダウ理論の役割はトレードにおいて最も重要な『目線を決める』為にあります。

エントリーに至る正しい手順は目線を決めてからタイミングを計るという順番であって、目線が決まっていないのにエントリーのタイミングを計ったり、インジケーターを使ってシグナルを出しても負けてしまう可能性が高くなってしまいます。

ダウ理論を用いてトレンドを定義し、目線を決めてからエントリータイミングを計るという当たり前のことを徹底するだけでも、トレードの勝率に寄与しますので、これまで目線をつけていなかったという方は必ず習得するようにして下さい。

トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する

前節までで『トレンドの定義』と『目線の決め方』を解説してきました。

しかし、いつまでも続くトレンドというものはありません。それでは、どうなったらトレンドが終了するのでしょうか?

ダウ理論では、『トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する』という項目があり、この項目によってトレンドが終了する条件を定義しています。

トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する

上の画像で示したようにトレンドが終了する明確なシグナル=直近安値を下抜くという事になります。

波の中に波がある場合の考え方

チャートの形はいつも分かりやすい形であるとは限らず、中には以下の画像のような波を描く事もあります。

波の中に波がある場合の考え方

上の画像は白い線で描いた波は『安値・高値切り上げの上昇トレンド』になっており、緑の波は『高値・安値切り下げの下降トレンド』になっていますが、白の波の安値を下抜けてはいません。

このような場合、白の波のラス押し安値(赤い水平線)を下抜くまでは白の波の上昇トレンドは継続していると考えます。

この現象は1枚のチャートの上で確認できるものもありますが、長期足と短期足との間で確認できるものもあります。

長期足と短期足の間で確認できるものを『フラクタル構造』と言ったりしますが、フラクタル構造については項を改めて改めて解説したいと思います。

ただ、その場合も基本的な考え方は同じで『波のサイズ』を見て、大きな波に対して小さな波が逆行している事を捉えられるようになると相場がよりくっきりと見えるようになります。

トレンドの終了とトレンド転換は違う

上昇トレンドであれば、ラス押し安値を下抜く事をもって上昇トレンドが終了するという事を解説しました。それでは、ラス押し安値を下抜けばそれがそのままトレンド転換となるのか?というとそれは違います。

トレンドの終了とトレンド転換は違う

上の画像の『A』の時点では、それまで続いていた白い波のラス押し安値を下抜いており、この時点で白い波の上昇トレンドは終了しています。

この時点ではラス押し安値を下抜いていますが、『高値・安値共に切り下がっている』という下落トレンドの定義には合致していません。よって、Aの時点ではトレンドは終了はしていますが、下落トレンドになったわけではないので、トレンド転換はしていません。

トレンドが転換するのは直近安値を下抜き『高値・安値が切り下がる』という下落トレンドの定義を満たした『B』の時点という事になります。

『A』の安値を下抜いた後、オレンジの直線のように『安値・高値が切り上がる』形になれば、新しい上昇トレンドが始まったという事ですので、『トレンドの終了』と『トレンド転換』を混同せずに区別しておく必要があります。

トレンド終了と3波狙いのジレンマ

ダウ理論を習得すると波動理論というものを意識するようになります。ここでは波動理論の詳細については割愛しますが、3波を狙うという格言があったりします。

トレンド終了と3波狙いのジレンマ

戻り売りというと『下落が発生→上昇→然るべき所でショート』というイメージがあると思うのですが、上図の『A』の時点で戻り売りをする場合はどうでしょうか?

『A』の時点では白い波の上昇トレンドを崩してはいますが、まだ下落トレンドが発生しているわけではなく、一種のトレンドレス状態になっていて、下落トレンドが発生するのは直近の安値を下抜いた『B』の時点となります。

従って『A』の時点でのショートはトレンドに乗ったエントリーとは言えず、オレンジの波のような下落トレンドが発生する事を期待してのエントリーとなります。

ただ、『A』でエントリーする事にメリットがないわけでなく読み通りに下落トレンドが発生すれば利益が大きくなりますし、前回安値ラインを下抜かなかった場合でも微益撤退が出来たりするといったメリットもあります。

逆にデメリットとしてはトレンド発生前にエントリーしている為、目線が固まる前にエントリーしてしまって負ける・・・というデメリットがあります。この場合、トレンドが転換しているのではなく前のトレンドが終わったという認識を持ち、先読み気味のエントリーをしているという自覚が必要です。

また、トレンドの発生を確認してから入るという事は、当然のことながらトレンド転換までの時間は短くなります。

トレンドが発生する前に先読みで入るか?発生してから入るか?の相克はトレンドフォローをする以上、トレーダーとして避けられませんが、トレンドが終了しただけなのか?転換したのか?をしっかり定義しておく事で枚数を調整したりといった対処も可能になります。

大事なのは、現在のトレンドがどうなっているのか?を定義した上でどういうリスクを負い、どういうメリットがあるのかを理解する事ですので、トレンドの終了と転換の違うを理解し、常にトレンドがどういう状態にあるか?を把握して相場に臨みましょう。

まとめ

今回はダウ理論を基づいてトレンドの定義と目線の決め方、勘違いしやすい点について解説してみました。

ダウ理論そのものはとてもシンプルなものですが、実戦で使うには反復練習が必要となります。

初心者の方で何をすればいいかわからないという方々にとっては、努力する方向が分かっただけでも大きな進歩ではないでしょうか?

トレードに絶対はありませんが、必要最低限の知っておかねばならない事はあります。

それが今回お話した内容になりますが、これを頭に叩き込んでおくだけでも感情的で非理論的なトレードからは卒業できると思います。

これを身に付けてご自身のトレードの基礎を固めましょう。