FXで何やっても勝てなくて、やったコト

FXは二者択一なのに8割が負けるのは何故?

更新日時:2024年11月23日 03:10

このブログはFXについて書いているブログですが、この記事を見ておられる方の中にはFXをやったコトがある人、やった事ない人、そもそもFXって何なのかすら知らねーぜ!って言う人等々、様々な方がおられると思います。


FXは日本語で言うと『外国為替証拠金取引』と言います。日本語で言うと難しそうな感じですが、基本的に『外貨を安く買って値上がりしたら売って利益を出す』・『日本円を安く買って円が高くなったら売って利益を出す』という取引です。基本的には『安く買って高く売る』という事なので、普通の商売と変わりません。売買している対象がお金そのものと言うだけです。


FXと言う投資は非常に厳しい世界で、8割が退場者(負けてお金が無くなって投資できなくなった人)と言われています。


『為替は上がるか下がるかのどちらかしかないので、上がる確率・下がる確率は50%』と言うような論法を目にする事がタマにあります。


この論法が正しいか?間違ってるか?と言うと『半分当たり』・『半分ハズレ』と言う事になります。


FXは1勝と1敗が等価ではない


FXは野球等と違って、1勝と1敗が等価ではありません。


私は西武ライオンズのファンなのですが、例えば日本ハムファイターズと2連戦を戦ったとします。第1戦は我が西武ライオンズはエース岸を立てて臨んだものの相手もエース大谷で惜しくも0-1で負けてしまったとします。第2戦は相手の先発ピッチャーがハ○カ○王子であった為、我が西武ライオンズの豪打が爆発して18-2で勝利をおさめたとします。


得失点差で考えれば、2試合の合計で18-3のボロ勝ちなのにこの2連戦は1勝1敗でゲーム差は変わりません。要するに0-1の負けも18-3の勝ちも等価という事になります。


ですが、FXの場合、昨日は10銭勝った。今日は1円負けたという場合、合計では90銭の負けという事になります。FXは1勝と1敗が等価ではないのです。


FXは勝率を競うものではなく『得失点差』を競うもので、これがFXの本質であり、勝率は50%に収束して行くはずなのに多くの人が負けるメカニズムを形成している核の部分であるとも言えます。

FXで勝つのはおかわり君のような人


勝率が50%に収束して行くと仮定した場合、それでも退場者が8割もいるという事は『小さく勝って大きく負ける人が多い』という事を表しています。


極端な話、1勝9敗でもトータルがプラスならそれはそれでOKと言うのがFXであり、9勝1敗でもトータルがマイナスなら負け組と言う世界です。


我が西武ライオンズには中村と言う選手がいます。通称おかわり君と呼ばれ、打率は低いもののホームランを打つ可能性は高く、規定打席に達したシーズンは全てホームラン王を獲得と言う近代野球最強のホームランバッターです。


FXで勝つのは野球で言えばこういうタイプの選手です。


FXで負けている人の多くは『勝率を上げる努力』はしていても、『勝った時に大きく勝つ努力』をしている人は少ない印象があります。


1勝と1敗が等価ではないFXと言う世界で、勝率を上げる事は最優先項目ではなく『利大損小』の方を優先した方が良いという事なのですが、FXが上達して行く段階のイメージとしては・・・


1.利大損小を追求する

2.負けトレードを減らす

3.結果的に勝率が高まる


と言うステップを踏んだ方がいわゆる『勝ち組』に近づけると思います。


『為替は上がるか下がるかのどちらかしかないので、上がる確率・下がる確率は50%』なわけですから、極端な話サイコロを振って丁なら買い、半なら売りと言うルールでトレードしても50%は勝てるという事になります。また、どのプライスで売買を行ったとしても、必ずリスクはあります。リスクを背負う以上、読みが当たった時に大きなリターンを得なければなりませんし、勝率が50%に収束して行くなら、勝った時は20銭、負けた時は10銭というトレードをしていれば、トータルでは勝ちが積み重なっていくという事になります。


人は何故勝率を追い求めてしまうのか?


FXの本質は『得失点差』を競う事であるのに何故勝率を追い求めてしまうのでしょう?


1つには、小さな負けであったとしても負ける頻度が高いとストレスがタマるという事が挙げられます。ヘンな言い方ですが、コツコツ負けてドカンと勝つ場合、トータルがプラスであっても『しょっちゅう負けてタマに勝つ』ような感じの為、『主観』としては負けている気がしてくるモノだったりもします。この『負けている気がする』と言う主観が時に人を暴走へと駆り立ててしまう事があり、利大損小にはメンタルの強さが必要になります。しかし、これが出来ている人はトレーダーとして大成する可能性を秘めています。たとえ勝率が悪くとも『まぁそんなもんだろ』と割り切れるメンタルさえあれば、勝ちを積み重ねて行ける可能性は高いと言えます。


逆にコツコツ勝ってドカンと負ける場合はどうでしょうか?


この場合、トータルでは負けていたとしても、『しょっちゅう勝ってタマに負ける』ような感じになります。『主観としては』勝っている気がしてくるのです。勝っている回数が多ければ『幸せ』を感じる回数も多くなる事は必然です。人間は『幸せな瞬間』を数多く体験したいのが本能ですから、『10回エントリーしたら7回以上勝ちたい』と言う方向に思考が流れがちになります。


勝率の向上を追い求める事自体は、必ずしも悪い事ではないのですが、『勝率を向上させたい』と言う想いがいつしか『負けたくない』と言う想いに変質してしまう事があります。こうなってしまうと含み益が乗ったらすぐ決済をするようになってしまい、『利小』の状態に陥ります。そして、含み損を抱えると『負けたくない』あまり戻る事を期待して損切りをせずに含み損を抱えたポジションを持ち続けるという心理状態になります。そして、損切りが出来なかったばかりに大きな負けを喫してしまうのです。


これがいわゆる『コツコツドカン(コツコツ勝ってドカンと負ける)』を生み出すメカニズムであり、こうなってしまった人は大負けを繰り返す事になります。この手のタイプは根本的な考え方を変えない限り、トレーダーとして大成する事はほぼ無理で、やればやるほど負けが積み重なってしまいます。


ポジションにファンダメンタル的な理屈をつけると心理的な隙が生じる


トレーダーの中には、ポジションを持つ場合もイグジットする場合もファンダメンタルズ的な理屈をつけたがる人がいます。『雇用統計の結果が良かったからドルを買う』とかそういう類の理屈ですが、実はこれによって心理的な隙を生む事もあります。


例えば、『日銀はマイナス金利を導入したんだから円安になるはずだ』と言う考えをもって、ポジションを持ったとします。しかし、予想に反して円高に振れた時、『マイナス金利なんだから、円高になるのはおかしい。円高の動きは一時的なものだろう』と考えてしまうと損切りが出来なくなってしまいます。


こうなってしまうとチャートを客観的に分析する事が出来なくなってしまいます。


ファンダメンタルズを分析する事は有意義な事ではありますが、ファンダメンタルズは各国の金融政策だけでなく地政学的な問題や投機筋の思惑など物凄く沢山の要素が絡むものであり、ファンダメンタルズで相場を見通す事は非常に難しく、一般人にはほぼムリな領域で、『日銀がマイナス金利を導入した』という一つの理由でもって判断できるほど単純なものではないのです。


そういったファンダメンタルズを通して相場を見るという事は『相場を色眼鏡で見ている』という事になります。


負けてしまう8割の人に足りないのはコミュニケーション力


FXはゼロサムゲームで、誰かの利益は誰かの損失によって賄われています。


誰かを負かせば自分は勝てるという事になるのですが、負けてしまう8割の人は自分の取引手法であるとかスタイルにばかりに目が行ってしまって、『自分以外の投資家の思考』に考えが及んでいない場合が多いと思います。


誰かを負かせば自分は勝てるのであれば、自分以外の誰かが負けるポイントは何処なのだろう?と考える事が勝つ近道であるはずです。『そんなの分かったら苦労しねーよo( *`ω´)o』と思われるかもしれないですが、負けが確定するポイントと言うのは、どこなのでしょうか?


それは損切りが付いた時です。


サポートラインやレジスタンスラインが重要なのも、突き詰めれば『他人の損切り』が何処にあるのかを洞察する為に役立つからなのであり、『他人の損切り』が何処にあるのかを意識したトレードをする事で勝利に一歩近づく事が出来ます。


『上がるか下がるかの二者択一』ではなく『ここで損切りをする人がいるかどうかの二者択一』と言うような視点をもってトレードに臨んででみるとまた違った視界が開けると思います。

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