怒りのナンピンってなんぞや?!~FXで負けると怒りが込み上げてくる人へ。その怒りは何処に向かっているのか?~
更新日時:2024年11月21日 06:15ボクはTwitterをやっておりまして、お陰様でそこそこフォロワーさんもおり、こんな私に絡んでくれる方々もいらっしゃいます。
先日、Twitterのタイムラインでディティールは覚えていないのですが、大意としては『怒りのナンピン!』みたいなツイートを見つけました。
FXは負ければお金を失うので、負けが続くと怒りたくなる気持ちもよく分かります。私も、自分でトレードルールを破ってそれが大敗に繋がった事があり、その時は自分に腹が立って、電話機を叩いて壊した事があります。
人間は強烈な失敗をしないと身に沁みず、同じ過ちを繰り返したりするものです。
かくいう私も部屋の中を転げまわるほどに悔しいトレードを繰り返して、その度に気付きを得るという事を何度も何度も繰り返してようやく多少は勝てるようになりました。
人間、なかなか仙人のようにはなれず、負けても淡々としていられるようになるには経験とかメンタルの強化とかと言ったものが必要になってきます。また、その悔しさからひとつでもふたつでも何かを得て行くという事も大切な事です。
今日は、そういったメンタル的なお話をして行きたいと思います。
そもそも何で怒りの感情が湧くのか?
冒頭で挙げた『怒りのナンピン』は、これだけでは何に怒っているのか分かりませんが、確実に言える事は『ナンピン』は怒ってするものではないという事です。私はナンピンを推奨していな立場ですが、ナンピンもうまく行く場合がありますので、トレーダーさん個々の手法の中で、明確なルールをもってナンピンを行うのであれば、それはそれで良いと思います。
トレードをして、勝って怒るという人は少数派だと思うので、基本的には負ける事によって怒りが込み上げてくる人が多いと思います。怒りがわく理由は色々あるでしょうが、エントリーをするという事は『ここで買えば上がるんだ』あるいは『ここで売れば下がるんだ』と言う根拠なり、自信なりがあるからこそ、エントリーをするものだと思います。
その自信や根拠が、自身の努力から構築した理論から来ていて、負けると自分の理論や努力が否定されたように感じて怒りが込み上げてくる人もいるでしょうし、書籍や情報商材などで知った手法がポンコツ手法で『この手法使えねーな!詐欺じゃねーかo( *`ω´)o』と言う方向性の怒りを感じる人もいると思います。
あるいは、相場が自分の思うように動かない事そのものに怒りを感じるという人もいるかも知れません。
総じて言える事は、期待が大きいだけに期待に反すると落胆も大きく、その分だけ怒りも大きくなってしまうと言えると思います。自身の理論に対する自信だとか、書籍や情報商材で知った手法に対する信頼度とかに対する信仰から『勝てるハズ』と言う期待が膨らんでしまうという心理は私も経験してきましたが、トレードにおける手法というモノは、そもそも絶対性のあるものではありません。
どんなに鉄板と思われるようなエントリーポイントで入ったとしても、次の瞬間に何らかの突発的な出来事が起これば負けてしまうわけで、トレード手法と言うのはそれほど不確実なものなのです。
ただ、同じ怒りでも良いものと悪いものがあります。例えば、自分自身で取引のルールを破ってしまって自分自身に対して怒りがわくと言った種類の怒りや、『この情報商材詐欺じゃねーか!情報商材なんか二度とかわねーo( *`ω´)o』と言った種類の怒りは良いと思います。
自分自身に怒り、それを反省する事は同じことを二度と繰り返さない為の教訓になったりもしますし、少しづつであっても着実にステップアップして行く事が可能です。
『この情報商材詐欺じゃねーか!情報商材なんか二度とかわねーo( *`ω´)o』と言った種類の怒りも調子良いキャッチフレーズに騙されてお金を無駄に使うという事を戒めるという意味があります。
そして、最も不毛で見当違いな怒りが、『相場自体』に怒りを向ける事です。『俺の理論が間違ってるはずがない。悪いのは相場が悪いからだ』と言うようになってしまったら、トレーダーとしての成長はありません。
相場で負けた時は、必ず原因があるものです。それを探して、次のトレードに活かす事によってのみトレーダーとして成長して行く事が出来ます。相場自体に怒りを向けてしまっては、反省する気持ちが無くなってしまい、そこで成長も止まってしまいます。
人間には感情がありますので、負けてすぐ冷静になる事は出来ないかも知れません。負けてすぐに頭を冷やして負けた原因を分析しろとは言いませんが、最低限、怒りの感情を持ってポジションを取るような事をしてはなりません。負けを受け入れる事が出来る精神状態になったら、頭を冷やして負けた原因を探り、それが出来るくらいの精神状態の時にポジションを取るようにしなければなりません。
環境認識をする事で負ける場合を前もって想定し、反省する事で怒りを消化する
少し前置きが長くなってしまいましたが、『期待が大きくなるほどに失望も大きく怒りも大きい』と言う話をしました。逆に言うと『勝つ可能性が高いと思うけれど、負ける可能性もこのくらいはある』という事が想定出来ていれば、負けても『低い確率の方が来てしまった。仕方ない』と思え、怒りを抑えたりそもそも怒りを感じなくなったりもします。
相場は、基本的に『勝つ可能性が高い』と言うエントリーポイントにかけて行くものです。どのような手法であってもこれは変わりません。詰まる所、環境認識をしっかりする事、相場観を立てる事によってそのエントリーの期待できる値幅、損切り幅をしっかりと理論的に把握しておくことによって、感情をコントロールする事が可能になり、結果的に負けたとしても怒りの感情を抱く事なく相場に向き合う事が出来るようになります。
勝てない内は、どこでエントリーするのかという事ばかりを考えがちですが、そうではなく今の相場はどういう相場であるのか?という事を渾身でもって考え、相場観を立てるという事を優先した方が精神衛生的にもよく、より早く勝ち易いエントリーを出来るようになると思います。
連敗が続けば、怒りの感情がわいてきてしまう事もあります。そのような時は、徹底的にチャートを見て負けた理由を理論的に探していきましょう。それを探す事を諦めない限り、必ず負けた原因を見つける事が出来ます。
人間は分からないモノに対して、怒りや恐怖を感じますが、分かってしまえば怒りの感情は納得にかわります。また、原因を理解する事でトレーダーとしても成長できます。
結局、負ける事で感情のコントロールを失う人と言うのは、トレーダーとして当然の事が出来ていないという場合が多く、相場に向き合う姿勢・相場を研究する姿勢の問題という事も出来ます。相場は時に容赦ない顔を見せますが、相場に真摯に向き合えば結果が付いてくるという側面もあります。
相場は自身の内面との戦いでもあります。常に相場に真摯に向き合えているかを問いながらトレードをして行けば、必ず勝てるようになると思います。