テクニカル分析を併用しても勝てない理由~テクニカル分析は翻訳機のようなもの~
更新日時:2024年11月23日 01:35私は、ほぼローソク足のみでトレードをしていますが、そう言う人は割と少数派でローソク足以外の何らかのテクニカル分析を併用してトレードしているトレーダーが大半なのではないかと思います。
以前、このブログの他の記事で『チャート=文章』、『ロウソク足1本=単語』と言う例えを引いた事があります。
その方向性で例えるなら『テクニカル分析=翻訳機』と言う感じでしょうか。
世の中には翻訳サイトと言う便利なものがあり、外国語がサッパリな人でもこれを使う事で、海外のサイトを見たりする事が出来ます。テクノロジーの進化恐るべしですが、翻訳をする事で元々の文章とはニュアンスが異なってしまう事があります。
例えば、exite先生で『今日はやってやるぜ!』と言う日本語を英語に訳します。
そうすると『I'll prosper today!』と訳されて出てきます。これを再度日本語に訳すと『私は今日繁栄する!』になります。
『今日はやってやるぜ!』と『私は今日繁栄する!』・・・意味合いがかなり変わってしまってますよね?
テクニカル分析もこれと同じような側面があり、何らかの計算式によって平均化されたりする事で、値動きがストレートに伝わってこない事があります。
テクニカル分析を通して値動きを見る事で、相場においても『今日はやってやるぜ!』が『私は今日繁栄する!』になってしまうのと同じような変化を起こす事があります。
加工された情報がオリジナルよりも多くの情報を持つ事はあり得ない
テクニカル分析は総じて、4本値のどれかを計算して加工し、それを線にしたり点にしたりして作ります。ここで注意しなければならないのは、それらはオリジナルを加工したものであり、加工された数字がオリジナル以上の情報を持つことはあり得ないという事です。
誤解の無いように申し上げますが、私はテクニカル分析を否定する立場ではありません。
私が言いたいのは、加工されたデータをもとに算出された数字は、何らかのバイアスの掛かった数字であり、テクニカル分析はそれを理解した上で使用する必要があるという事です。
テクニカル分析をいくつか併用する事で勝率を上げると言った事は日々行なわれている事だと思うのですが、これは加工されたデータ同士を掛け合わせるという事であって、実は非常に難しい事なのです。これをウマくワークさせる為には、加工されたデータが何を示しているのかを深く知っていなければならないわけですが、テクニカル分析にそこまで精通している人はそれほど多くないので、大多数の人はウマくワークさせる事が出来ずに負けてしまいます。
これがテクニカル分析を併用しても勝てないメカニズムです。
テクニカル分析は狭く深くで良い
よく『マーケットと対話する』と言ったような表現をする事があります。『対話』するのであれば、まずはマーケットが発したメッセージを正確に理解出来なければなりません。マーケットは言葉を話す事が出来ないので、何らかの形でそれを翻訳しなければなりませんが、翻訳機が多ければ多いほどドンドン本来の意味から遠ざかって行ってしまいます。
大切な事は、翻訳機の数ではなく正しく翻訳してくれる翻訳機を作る事で、正しく翻訳してくれる翻訳機が1機あればそれで良いという事になります。
その1機を作り上げる為の勉強であり、研究という事になります。従って、FXで勝つには複数のテクニカル分析は要らないという事になります。負けたらテクニカル分析をコロコロ変えたり、増やしたりするのではなく一つの事をひたすらに深く掘り下げる事が重要です。
テクニカル分析は、得意とする相場環境にハマった時には、連勝につぐ連勝で負ける気がしないような状態になる事もあります。ですが、それは長くは続かず、マッチしない相場環境の時は連敗につぐ連敗で勝てる気がしないような状態になります。大事なのは、負けた時に『使えねーじゃん』と捨てる事ではなく、そこからもう一歩踏み込んで行く事です。
最後のピースはテクニカル分析では埋まらないもの
私は、水平線を引いてその近辺での値動きを観察する事で、エントリーをしています。私なりにエントリーする時・しない時の基準があります。
為替相場は『奥行と広がり』があるものなので、1枚のチャートと言う平面だけではどうしても埋まらないものがあります。
私の場合は、複数の通貨ペアを併せ見る事でそれを補完しているのですが、中には複数時間足を見る事で補完してると言う人もいます。テクニカル分析を用いて負けが続いて、研究しても勉強しても勝てない時には、今見ているチャートの外側にヒントが転がっている事もあります。そういう目線をもって、研究を進めて行けば研究が深化して行く事は間違いありません。
テクニカル分析では勝てないのではなく使いこなせていないから勝てない
誰も知らないようなマイナーなテクニカル分析はさておき、一般的で投資家であれば誰もが知っているようなテクニカル分析はそれがマッチする相場環境の時は非常に簡単に勝てます。偉大なる先人が開発しただけあって、有効な局面というモノは必ず存在します。
テクニカル分析は、詰まる所、有効に作用する局面で使うという事が全てであり、それを100%見極めて使う事が出来る人がいるのだとしたら、その人は神域に達したと言って良く、相場の神と言っても過言ではありません。
テクニカル分析を使いこなすという事は、有効に作用する局面を見つけるという事とほぼ同義です。負けてしまう人は、有効に作用する局面を見つける事が出来ていないから負けるのであって、テクニカル分析が使い物にならないポンコツだから負けているわけではありません。
テクニカル分析をコロコロ乗り換えている人は、これ以上ないというくらいひとつのテクニカル分析に向き合ってみてはいかがでしょうか?