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ロウソク足基礎編~ロウソク足1本の中にもサポレジは存在する~

更新日時:2024年11月18日 06:00

ロウソク足は江戸時代に日本で開発されたメイドインジャパンのテクニカル分析です。相場をやる人なら知らない人がいないというほど有名なもので、テクニカル分析としての知名度と言う観点で言えば、ロウソク足と移動平均線が双璧なのではないかと思います。


他のテクニカル分析は、一定期間の平均値等を使っているのに対し、ロウソク足はダイレクトに値動きを示す為、ロウソク足は最も早いタイミングでの投資判断を可能にします。


単純なだけに使いこなす事は困難で、それ故に本当にロウソク足を使いこなせている投資家は少ないのではないかと思います。


かくいう私も、以前はロウソク足をそれほど深く学ぼうとはしていませんでした。水平線の近辺での投資判断の精度をより高めるためにロウソク足に対する知見をより深めて行く事の必要性を痛感し、ロウソク足について勉強をし直しました。


その備忘録として、学んだ事をブログに書き残しておこうと思い立ちました。何回かに分けて基礎の基礎から書いて行こうと思います。


基礎の基礎~ロウソク足の構成~



知らない人はあまりいないと思いますが、ロウソク足の見方をおさらいしておきます。始値よりも終値が高いものを『陽線』、始値よりも終値が安いものを『陰線』と言います。始値と終値で挟まれた部分を実体と言います。実体の上部に出現したヒゲを上ヒゲ、実体の下部に出現したヒゲを下ヒゲと言い、上ヒゲ・下ヒゲの先端がそれぞれ高値・安値となります。


ロウソク足は、単位時間当たりの値動きの全てが集約されており、始値・終値・高値・安値を一目で把握できるという他のテクニカル分析にはない優れた特性を持っています。始値・終値・高値・安値の事を4本値と言いますが、4本値それぞれには重要な意味がありロウソク足の形状そのものに注目し、意味を洞察する事でより深く相場を分析する事が可能となります。

下らない事のようで実は重要。ロウソク足とトレンド認識


一般にアッパートレンドであれば陽線の出現頻度が高く、ダウントレンドであれば陰線の出現頻度が高くなります。『そんなの当たり前だろo( *`ω´)o』と思われそうですが、これは意外と見落としていたり気にしていない投資家の人が多いように思います。例えば、『陰線ばっかりのアッパートレンド』とか『陽線ばっかりのダウントレンド』というモノは、可能性として無くはありませんが、よほどのレアケースです。


ロウソク足が形成される過程



上の画像は1本の陽線が形成される値動きを示したイメージ図です。


始値から安値に向かって下落し、安値から切り返して高値を付け、高値から終値に向かって下落するという値動きを辿ってこの陽線の形成に至っています。この値動きからわかる事は、下ヒゲ(始値から安値の部分)の価格帯には、『買いたい参加者』が多かった事を示しています。下ヒゲの部分には『支持帯=サポート』が確かに存在していたという事を示しています。また、上ヒゲ(高値から終値の部分)の価格帯には、『売りたい参加者』が多かった事を示しています。上ヒゲの部分には『抵抗帯=レジスタンス』が確かに存在していたという事を示しています。


このようにロウソク足一本の中でも、サポートライン・レジスタンスラインを引く事が出来ます。分足や時間足しか見ていない人は『ロウソク足が出来る度にそんなこと考えていられないよo( *`ω´)o』と思うかも知れません。ですが、よく考えて下さい。日足は1時間足24本分の値動きで出来上がっています。日足には1時間足24本が内包されているわけです。このような入れ子構造をフラクタル構造等と言いますが、日足の安値・高値は何らかの理由でそれ以上あるいはそれ以下での取引が参加者によって拒否されたラインと見る事が出来、そこにサポートライン・レジスタンスラインを引く事が出来るわけです。


ロウソク足一本の中でもサポートライン・レジスタンスラインが引けるという見方を持つ事によって、上位の時間足から見た支持帯・抵抗帯の存在を下位の時間足から察する事が出来るようになるのです。


実体の大きさから分かる事


ロウソク足の実体は、相場の勢い(騰勢とか劣勢という事もあります)を表します。


実体が大きいほど勢いが強い事を示し、実体の大きい陽線は買い意欲の強さを示し、実体の大きい陰線は売り意欲の強さを示します。ロウソク足の呼び名として『大陰線』とか『大陽線』、『小陰線』とか『小陽線』と言う呼び方がありますが、これは○pips以上だったら大陰線とか、○pips以下だったら小陽線などと言う決まりがあるわけではなく、相対的なものです。


それまでの値動きに比べて、実体が大きい場合に『大陽線』や『大陰線』になるというような曖昧なものでもあります。


大切なのは、それを定義する事ではなく、『実体』が相場の勢いを示しているという事であり、相対的に勢いが強まっているか?弱まっているか?と言う部分ですので、字義の解釈に拘泥する事にあまり意味はなく、実際に起こった事象としての『相場の勢いの強弱』を洞察する事が大切です。


ヒゲの長さから分かる事


ヒゲは抵抗帯や支持帯の存在を示すものという事を書きました。それでは、ヒゲの長さは何を示すのでしょうか?


ヒゲの長さは、抵抗帯の強さを示します。例えば、陽線であれば、高値から終値への押し込みの度合いの強弱がヒゲの長さに現れます。ヒゲが長くなればなるほど、売りの圧力が増大している事を洞察できます。陰線の場合は逆となります。


ヒゲの長さは相対的に長いほど強い意味を持つ事が多いですが、それが出現した位置も重要で、天井圏で出現した長い上ヒゲや底値で存在した長い下ヒゲはトレンド転換を示唆する事もあります。


終値は最も重要なプライス


相場は経済指標やニュース、噂や思惑等を全て織り込んで動いて行きます。そして、単位時間(日足なら1日、1時間足なら1時間)あたりの足が確定します。従って、終値は市場参加者の総意として適正と認められた価格という事も出来、そうであるからこそ最も重要なプライスと言えます。


このようにロウソク足の示しているプライスにはそれぞれ意味があり、それを考えるだけでも色々な事が分かります。ロウソク足は、他のテクニカル分析と違い値を平均化したり何らかの複雑な数式で求めたりしていない分、端的で客観的な情報を教えてくれます。


その情報から投資家の群集心理を洞察する事で勝ちに一歩近づく事が可能となるのです。


私はスラムダンクと言う漫画が大好きなのですが、スラムダンクの中で矢沢君と言う身体能力に優れた選手が、身体能力にばかり頼り、基礎を疎かにしていた為に大成しなかったというエピソードが出てくるのですが、このエピソードは非常に重要な何事かを示唆していると思います。


私は投資業の他にWeb製作業も行っています。どのように複雑なWebサイトでも、バラしてみればコードの集合体であり、一つ一つのコードの基礎的な理解が出来ていれば、どんなに複雑な構造のサイトであっても成り立ちを理解する事が出来ます。


その為には、HTMLコードというモノの基礎的な部分への深い理解が必要となりますが、逆に言えばそれさえ出来ていればいかなるWebサイトでも構造が理解できるとも言えます。


相場もそれと同じような部分があります。ロウソクへの深い理解があれば、その集合体であるチャートを理解する事に繋がって行くと思います。

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