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ロウソク足分析中級編~大陰線・大陽線~驕れる者も久しからず

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前回は、ロウソク足の基本的な見方、値動きを洞察する基礎的な考え方について、説明をしました。

ロウソク足は大別すると以下の3種に分ける事が出来ます。

1.大陰線・大陽線

2.小陰線・小陽線

3.寄り引け同時線

ロウソク足の値動きにはそれぞれ意味があります。前回の記事の最後の方で似たような事を違う例えで書いたのですが、例えを変えて同じような事を書きます。

英単語とその意味を知っていれば、文法についての理解が多少いい加減でも大体の意味を理解する事が出来ます。単語の意味をしっかりと理解した上で、より多くの英文に触れて経験を積めば文法に対する理解も自然と深まって行くと思います。

相場もこれと似たような側面があり、ロウソク足一本一本の意味をより深く理解すれば、チャートを読み解く事が出来るようになってきます。逆に言えば、『単語』にあたるロウソク足の意味を洞察できなければチャートを読み解く事の難易度は格段に上がってしまいます。

どのような複雑な文章も単語の集合体であると言えると思います。一つ一つの単語にバラして、一つ一つの単語の意味を丁寧に理解すれば必ず、意味が理解出来るように相場もロウソク足一本一本の意味を理解すれば、相場の流れやその背後にある投資家心理を読み解く事が出来ます。

大陰線・大陽線とは?

大陰線・大陽線とは実体が長く、ヒゲが短い形状のロウソク足を指します。

非常に強い買い意欲もしくは売り意欲を示すもので、いわゆるトレンド状態にある時などに出現します。実体部分が長ければ長いほど騰勢・劣勢の勢いの強さを表します。

大陽線・大陰線が出たら流れに逆らう逆張りは非常に危険となります。大陰線・大陽線は以下の代表的な3つの形状があり、それによって投資家心理の変化を読み取る事が出来ます。

陰の丸坊主・陽の丸坊主

形状としては、ヒゲが無く実体が大きい陰線もしくは陽線を指します。

実際の相場において、ヒゲが全くないロウソク足が出る事は稀ですが、一本調子で相場が大きく上昇(もしくは下落)して、そのまま高値(もしくは安値)で引けたという値動きとなります。

投資家の非常に強い買い意欲(もしくは売り意欲)を示すもので、投資家の強気な心理(もしくは弱気な心理)に陰りが無い事を示していると考えられます。

陰の大引け坊主・陽の大引け坊主

形状としては、陽線の場合は上ヒゲ、陰線の場合は下ヒゲが無く実体が大きいロウソク足を指します。

値動きとしては、陽の大引け坊主の場合は、始値から下落する局面もあったものの買い意欲は強く高値で引けた事を表しています。陰の大引け坊主の場合は、始値から上昇する局面もあったものの売り意欲は強く安値で終えた事を表しています。

投資家心理的には、非常に強い買い意欲(もしくは売り意欲)を示すもので、投資家の強気な心理(もしくは弱気な心理)に陰りが無い事を示していると考えられます。

陰の寄り付き坊主・陽の寄り付き坊主

形状としては、陽線の場合は下ヒゲが無く上ヒゲのある実体の大きな陽線、陰線の場合は上ヒゲが無く下ヒゲのある実体の大きな陰線を指します。

値動きとしては、陽の寄り付き坊主の場合は、買い意欲が強く大きく上昇したものの高値圏では利食い等の売りが見られ引けにかけて押し戻されている値動きとなります。

陰の寄り付き坊主の場合は、売り意欲が強く大きく下落したものの安値圏では利食いの買い戻しが入って、引けにかけて押し戻されている値動きとなります。

投資家心理としては、高値圏(もしくは安値圏)では、利食いを入れたいという心理状態を示しており、騰勢(あるいは劣勢の)減衰を暗示しています。ヒゲの長さが重要な意味を持ち、ヒゲが長いほど騰勢(あるいは劣勢の)減衰が大きい事を示します。

大陰線・大陽線で注目すべき事

相場において勝つには、大陰線・大陽線に乗る事、そして、反転する前に降りる事に尽きます。残念ながら、大陽線や大陰線の出現を予測することは出来ないので、いつ降りるか?に意識を集中する事が大切です。

大陰線・大陽線の基本的形状3種の中で、騰勢・劣勢の減衰が洞察出来るものは寄り付き坊主のみとなりますが、陽線であれば上ヒゲ、陰線であれば下髭が非常に大きな意味を持っています。

ヒゲの長さで、騰勢・劣勢の強さを洞察し、投資家心理の移り変わりを見て行く事がポイントとなります。