ドラギバズーカぶっ放したら、2時間もしない内に物凄い勢いで跳ね返ってきた件
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昨日は、ECBの金融政策発表が行われ、その後ドラギ総裁の会見が行われました。
決定された内容としては以下のような内容となりました。
主要政策金利であるリファイナンス金利を0.05%から0.00%に引き下げ。
上限金利の限界貸出金利を0.30%から0.25%に引き下げ
下限金利の中銀預金金利をマイナス0.30%からマイナス0.40%に引き下げた
資産買い入れ規模は月間600億ユーロから800億ユーロに拡大
サプライズ好きのドラギ総裁らしいというかなんというか、いわゆるドラギバズーカ(通称スーパーマリオバズーカ)が炸裂する結果となりました。これを受けて、反射的にユーロを売る動きが強まりました・・・が、真のドラマはこの後の会見でした。
金融政策発表から会見にかけての値動き
上の画像は、昨日のユーロ/ドル1時間足チャートです。
緑の丸は金融政策発表直後、赤の丸はその後の会見時の値動きです。会見直後、反射的に大きくユーロが売られましたが、会見に入ると一転して非常に大きく切り返しました。
元々ユーロを買っていて、最初の下落でやられた上に焦って売ったら、会見での暴騰で上昇でもやられるといういわゆる往復ビンタを喰らって退場になったというトレーダーも世界中で沢山出てそうな気がします。
それでは、なぜこのような値動きになったのでしょうか?
たった一言が原因だった
ドラギ総裁は昨日の会見で『一段の利下げは想定していない』と発言しました。これが材料視され、ユーロに急激な買い戻しが入りました。
一旦はサプライズの緩和策が好感されユーロ売りに傾いたわけですが、この発言で一気に逆流してしまったという顛末です。
現在はアメリカを除いて、世界的に緩和的な金融政策が取られていますが、その双璧が日銀とECBです。
これまで、黒田総裁もドラギ総裁も『何でもやる』と言う姿勢を見せ続けてきました。しかしながら、物価目標を達成できない状態が続いており、一部ではタマ切れと言う観測も出て来ています。
ドラギ総裁の『一段の利下げは想定していない』と言う発言が市場に『タマ切れ』と受け取られたのではないかと思います。
世界中のトレーダーが何となく感じてる流れの反転
先日、ブルームバーグにロジャーズ氏:「確率100%」で米国は1年以内にリセッション入り (1)と言う記事が出ました。
また、本邦でも若林栄四氏が「1ドル65円になる」と言う予想を発表する等、大物の予想が出て来ています。
アベノミクス以降、非常に大きく円安が進んできました。若林栄四氏ほど大胆な予想は出来なかったとしても、世界中のトレーダーが円安の流れの減衰は感じていると思います。ここで気を付けなければならない事は、投資はファンダメンタルでするものではないという事です。
ロジャーズ氏や若林氏の予想が最終的に当たるにせよ外れるにせよ、『ロジャーズ氏がこう言っていた』・『若林氏がこう言っていた』と言う事を根拠にポジションを取ってはいけません。そういった予想は予想として参考とする部分はあって良いと思いますが、トレーダーは常にチャートの上で起こっている事だけに注目してポジションを取って行かなければなりません。まして、デイトレード以下の短期トレードをしているなら尚更です。
このような時こそ、予断を持たずにチャートに向き合いポジションを取って行く事が大切だと思います。