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トランプ氏が大統領になったら為替はどうなっちゃうんだろう?

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米大統領選挙の候補者選びのヤマ場と言えるスーパーチューズデーで、共和党は11州のうち7州で不動産王ロナルド・トランプ氏(69)が勝利を収めました。

トランプ氏は暴言癖がある事でも知られており、それが意外と民衆の心を掴むのか高い支持率を維持しており、破竹の勢いで躍進、いまや共和党の大統領候補一番手に浮上しています。

トランプ氏は保護貿易主義を唱え、日本に対しても「円安誘導は許さない」・「日本があまりにも円安に誘導するので、友人は、値段が高いキャタピラー社ではなく、コマツのトラクターを買っている。それは許されるべきではない」などと言う発言も飛び出しています。

黒田総裁辺りは『この人が大統領になっちゃったらどうしよう(´・ω・`;)』とか思ってそうですが、彼の過激発言のホコ先は必ずしも日本に対してだけではありません。

中国に対しても、「大統領に就任した初日に中国を為替操作国に認定する」と明言、中国は米国との競争力を完全に封じる措置を講じているとし、「オバマ大統領への敬意を少しも持たず、米国は愚か者の集団が仕切っていると判断している。中国との間で起きていることは信じられない状況にある」「私のネクタイの多くは中国製だ。その理由は、中国は自国通貨の操作を米国企業が競争力を持つことを不可能にする水準まで行っているからだ」等の過激発言を繰り返しており、「政策的に通貨安誘導を行う国に対してはその国からの輸入品に対する関税率を引き上げることで対抗する」との政策案(?)を持っているようです。

トランプ氏が大統領になっちゃった場合円はどうなる?

トランプ氏は「(トランプ氏の主観で)アメリカの国益につながることならどんな事でもやってやるぜ!」という漢気が感じられます。日本の貿易黒字が大きすぎるなどと判断すれば、公約(?)通り、輸入関税の引き上げを断行する事が考えられます。こうした措置がとられると自動車産業などの日本の輸出企業は、アメリカ市場での苦戦を強いられることになってしまいます。

そうなると日本の製造業の業績が悪化するのではないかと考える投資家が増え、株価が下落し、株から安全資産である円にシフトする動きが強まって、円高・株安となる可能性が高まります。

これまでのトランプ氏の発言を見る限り、日本や中国の自国通貨安誘導に好意を持っていない事は明らかと思われるので、程度問題はあるとしても対抗措置を取ってくる可能性はかなり高そうです。

迎え撃つヒラリー・クリントン女史はどうなの?

民主党の有力候補のヒラリークリントン女史も中国と日本を名指しで「通貨安政策をとっている国」として批判しています。どちらかと言うと中国に対しての批判の方が強いニュアンスですが、日本に対しても同じ穴のムジナと考えている可能性はあります。

いずれにしても、現在の日本の金融政策を快く思っていない事は確かで、対抗措置を取ってくる可能性は高そうです。

結局、どっちも同じじゃんか

両有力候補の人間性にはかなりの違いはありますが、どちらも『ドル高』がお気に召さない事は確かで、どちらが大統領になったとしても、これまでのアベノミクス相場のように円安が進行するかは雲行きが怪しくなってきた感じがします。

その上、度重なる量的緩和で日銀はタマ切れになってきつつあるので、円高に潮目が変わっていく事も考えられます。

今後、両候補が為替についての発言をした場合には、注目しておくと良いかも知れません。