SMAやWMAよりも敏感に価格に反応するMT4インジケーター『指数平滑移動平均線』
更新日時:2020年05月01日 11:43移動平均線の中には、算出期間中の価格に重みづけをして算出される種類が存在します。
「指数平滑移動平均線」は、直近の価格に近い程重みづけをして算出する移動平均線で以下のような方に向いています。
値動きの速い相場で取引をしている方
価格に対する反応速度が速い移動平均線を探している方
この記事では上記のような方のために、「指数平滑移動平均線」について解説します。
指数平滑移動平均線の概要
指数平滑移動平均線は、直近の価格ほど重視するという加重移動平均線の考えに似ている移動平均線ですが、加重移動平均線や単純移動平均線よりも値動きに敏感に反応するといわれています。
加重移動平均線と違う点は、過去全ての価格を計算対象とする点と、個々の価格データへの加重を指数関数的に行う点で、加重の度合いは「平滑化定数α」によって計算されます。
英語名はExponential Moving AverageでEMAと略されます。
指数平滑移動平均の計算式は以下の通りです。
n日間の指数平滑移動平均
1日目=n日の終値の平均(単純移動平均線の値と同じ)
2日目~=前日のEMA + 平滑化定数α × (当日終値 - 前日EMA)
平滑化係数α = 2 ÷ (n + 1)
画像は、初日の終値が100円で、1日に10円ずつ上昇している相場がある場合の3日指数平滑移動平均です。
3日移動平均なので、平滑化係数αは2÷(3+1)で0.5になります。
平滑化係数によって価格の比重が計算されいるのが分かりますね。
このように、直近の価格ほど重視するという性質から、SMAやWMAよりも相場に敏感に反応しますが、そのぶんダマしにあいやすくなるという特徴があります。
指数平滑移動平均線を表示する方法
指数平滑移動平均線(EMA)は、MT4に最初からインストールされています。
1.MT4上部のタブから「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Moving Average」の順にクリック。
2. 表示されたウィンドウの「移動平均線の種別」を"Exponential"に変更。
3. 「OK」をクリック。
これでチャート上に指数平滑移動平均線(EMA)が表示されました。
MT4のインジケーター追加(インストール)の手順を説明ページを作ってみました。追加(インストール)手順が分からないという方はご参考下さい。
指数平滑移動平均線のパラメーター解説
インジケーター挿入時または表示済みのインジケーターを右クリックで表示されるウィンドウの「パラメーターの入力」から設定できます。
入力項目 | 入力内容 |
期間 |
初期値:10 指数平滑移動平均線の算出期間を設定します。 |
表示移動 |
初期値:0 指数平滑移動平均線の表示位置が左右に移動します。 |
移動平均の種別 |
設定値:Exponential 移動平均線の種類を設定します。 |
適用価格 |
初期値:Close 指数平滑移動平均線の算出に用いる価格の種類を徹底します。 |
「期間」は、指数平滑移動平均を算出する期間を設定するための項目で、大きな値に設定するほど滑らかな移動平均線が描写されますが、値動きに対する反応も緩やかになります。
「移動平均の種別」は初期設定の状態では「Simple」になっていますので、指数平滑移動平均線を表示したい場合は、「Exponential」に変更しましょう。
まとめ
「指数平滑移動平均線」について解説してきましたが、要点をまとめると以下のようになります。
算出期間中の価格に指数関数的に重みづけを行って算出する。
値動きに対する反応速度が速い。
「指数平滑移動平均線」は、価格の変化への反応速度を重視している方に、向いている移動平均線です。
価格の変化を早い段階で捉えたい方は、試してみると良いでしょう。