イエレン議長利上げに言及!米国債利回り上昇、ドル買いで反応
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FRB(米連邦準備理事会)のイエレン議長は18日(日本時間19日未明)、サンフランシスコで行った講演で『米経済が完全雇用に近づき、インフレ率がFRBの目標とする2%に向かうなか、FRBが緩やかな利上げを実施していくことは理にかなう』と発言しました。
今年以降の利上げペースに関しても『自身(イエレン議長)を含めたFRB当局者は、主要短期金利を2019年にかけて毎年数回引き上げていくと予想している』と言及しています。
イエレン議長の今回の発言は、部分的に切り取るとタカ派的に受け取られそうな感じがしますが、『利上げを待ち過ぎれば、過度のインフレ、もしくは金融不安定、またはこの双方というリスクに将来的に見舞われる可能性があり、そうなるとFRBは急激な利上げを余儀なくされる可能性がある事から、経済は新たなリセッション(景気後退)に陥る恐れがある』為に『景気の回復が継続するとの確信』の上で『緩やかに利上げをして行く事は理に適う』と言った趣旨の発言なので、私個人の感覚としてはいかにもイエレン議長らしいハト派色が出てるように感じられます。
トランプ次期大統領の政策に対する直接の言及はなかったようで、『経済政策の変化を景気見通しに反映させ、FRBの責務の達成に必要な措置にどのように影響するか考慮する』 と述べるに留まったようです。
イエレン議長の発言を受け、金融市場では米国債利回り上昇、ドル買いで反応しています。
また、トランプ次期政権の商務長官に内定しているウィルバー・ロス氏は、上院商業科学運輸委員会の指名承認公聴会で、『中国は主要国の中で最も保護貿易主義的、中国の高い関税や非関税障壁の削減を目指す』と発言しました。
トランプ氏自身も含めて、アメリカの次期政権は親中的とは言えない政権になりそうですが、元々中国経済の頭打ち感がある中でトランプ政権の間、中国経済が悪化して行くのか?あるいはチャイナショック的な事が起きるのか?数年単位の長い目で見て行きたいと思います。
ドル/円
上の画像はドル/円1時間足チャートです。
【ドル/円の値動き】
始値:112.605
高値:114.753
安値:112.562
終値:114.632
+202.7pips(高値から安値:219.1pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
112.605
チャート画像青い点線の水平線
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近安値。
113.866~115.298
チャート画像ピンク色のボックス
中期下落トレンド(オレンジ色の波)のラスト戻り高値と下落トレンドを確定する事になった安値で形成される抵抗帯。中期下落トレンドの流れを断ち切る為にはこの抵抗帯を破る事が必要。
1月18日のドル円は、イエレン議長の発言を受け、ドルに買い戻しが入りました。
短期トレンドの抵抗帯『113.021~113.524』(チャート画像赤い点線のボックス)を上方にブレイク、中期トレンドの抵抗帯『113.866~115.298』(チャート画像ピンク色のボックス)の中での推移になっています。
1月19日寄り付き時点では、中期トレンド(オレンジ色の波)は下落トレンドの形状を崩しておらず、依然として下落トレンドの形状にあります。
中期下落トレンドを崩す為には、『115.298』を上抜いていく必要があり、注目されるプライスとなりそうです。
ユーロ/円
上の画像はユーロ/円1時間足チャートです。
【ユーロ/円の値動き】
始値:120.635
高値:121.979
安値:120.552
終値:121.832
119.7pips(高値から安値:142.7pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
120.583
チャート画像青い点線の水平線。
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近安値。
121.219~121.529
チャート画像赤い点線のボックス。
短期下落トレンドのラスト戻り高値~短期下落トレンドを確定させる事となった安値で形成される抵抗帯でしたが、昨日の値動きによって上方にブレイク。サポレジ転換すればサポートになる可能性有。『サポレジ転換するか?』に注目。サポレジとしての力が失われている可能性も有り、サポートとしての役割に過信は禁物。
121.311~122.276
チャート画像ピンク色のボックス。
中期下落トレンドのラスト戻り高値~中期下落トレンドを確定させる事となった安値で形成される抵抗帯。
1月18日のユーロ円相場は、イエレン議長の発言を受けたドル円の上昇に連れる形で、引け間際に大きく上昇しました。
この値動きによって、『121.219~121.529』の抵抗帯(チャート画像赤い点線のボックス)を上方にブレイク、『121.219~121.529』の抵抗帯(チャート画像ピンク色のボックス)の中での値動きとなっています。
1月19日寄り付きの段階では、中期トレンド(オレンジ色の波)は下落トレンドの形状を崩しておらず、下落トレンドの形状を崩す為には『122.276』のラインを上方にブレイクする必要性があるので、注目されてくるラインになると思います。
ユーロ/ドル
上の画像はユーロ/ドル1時間足チャートです。
【ユーロ/ドルの値動き】
始値:1.07119
高値:1.07146
安値:1.06275
終値:1.06288
-83.1pips(高値から安値:87.1pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
1.05725~1.06028
チャート画像青い点線のボックス
1月11日~1月12日にかけての短期上昇トレンドのラスト押し安値~上昇トレンドを確定させる事になった高値で形成される支持帯。少し古い抵抗帯だが、破られていない抵抗帯でもある。
1.05821
チャート画像青い点線の水平線
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近安値。中期上昇トレンドを崩すには、このラインを下方にブレイクする必要アリ。
1.06036~1.06280
チャート画像紫色の点線のボックス
旧短期下落トレンドの抵抗帯。サポレジ転換すれば、支持帯となる可能性有。『サポレジ転換するか?』に注目しておく必要性はあるが、サポレジとしての力が失われている可能性も有るので過信は禁物。
1.06645~1.06944
チャート画像赤い点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯
1.07146
チャート画像ピンク色の水平線
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近高値。
1月18日のユーロドルは、イエレン議長の発言を受けて引けにかけてドル買いの動きが強まりました。
1月19日寄り付きの段階では、中期トレンド(オレンジ路の波)は上昇トレンドの形状にあり、俯瞰すれば、現在の値動きは『1.05821』~『1.07146』の中期トレンドの方波の中での値動きとなっています。
その前提の中で、『1.05725~1.06028』の支持帯 VS 『1.06645~1.06944』の抵抗帯と言う様相を呈しており、『1.06036~1.06280』がサポレジ転換してサポートの役目を果たすか?という状況にあります。
抵抗帯と支持帯に挟まれた『1.06036~1.06645』のレベルは揉み合いになり易い状況と言えますが、この辺りで仕掛けてしまうとつまらない負け方をしてしまう恐れもありますので、注意が必要です。
本日発表の経済指標等
本日は、以下のような経済指標の発表が予定されています。
06:45 【ニュージーランド】 11月住宅建設許可件数(前月比)
08:50 【日本】 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
08:50 【日本】 前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
09:01 【英国】 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
09:30 【ニュージーランド】 12月新規雇用者数
09:30 【ニュージーランド】 12月失業率
18:00 【ユーロ】 11月経常収支
21:45 【ユーロ】 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 【ユーロ】 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
22:30 【米国】 12月建設許可件数(年率換算件数)
22:30 【米国】 12月建設許可件数(前月比)
22:30 【米国】 12月住宅着工件数(年率換算件数)
22:30 【米国】 12月住宅着工件数(前月比)
22:30 【米国】 前週分新規失業保険申請件数
22:30 【米国】 1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
22:30 【カナダ】 11月対カナダ証券投資額
22:30 【カナダ】 11月製造業出荷(前月比)
本日は、ECBの金融政策発表及びドラギ総裁の会見に要注目です。また、明日に米国の大統領就任式を控えており、イベント続きの週末となりますので、突発的な値動きには注意が必要です。