ATRをもとにトレーリングストップを表示するMT4インジケーター「Trailing_Stop_Loss」
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損切り水準を決める方法には、主要な高値や安値をもとに決める方法や、移動平均線やパラボリックSARなどのインジケーターを使って決める方法などがありますが、ボラティリティを考慮して損切り水準を決めたいという方もいるのではないでしょうか。
「Trailing_Stop_Loss」は、ボラティリティの変化を考慮した損切り水準を表示するインジケーターで、以下のような方に向いています。
ボラティリティの変化が激しい相場で取引している方
トレンド相場で可能な限り利益を伸ばしたい方
この記事ではそういった方のために、「Trailing_Stop_Loss」について解説します。
Trailing_Stop_Lossの概要
「Trailing_Stop_Loss」は、ATRを用いてトレーリングストップを表示するインジケーターで、S.B.T.によって開発されました。
インジケーターを起動すると、チャート上にピンクのラインで損切り水準が表示されます。
「Trailing_Stop_Loss」の算出方法は以下の通りです。
パラメーターの「Mode」を0に設定した場合
TR=14期間ATR
Deltastop=TRの28期間指数平滑移動平均×2.824
パラメーターの「Mode」を0以外に設定した場合
Deltastop=「DeltaPrice」
直近の終値=前のTrailing_Stop_Lossの場合
Trailing_Stop_Loss=前のTrailing_Stop_Loss
前の終値<前のTrailing_Stop_Lossかつ直近の終値<直近のTrailing_Stop_Lossの場合
Trailing_Stop_Loss=前のTrailing_Stop_Lossと(直近の終値+Deltastop)の内、小さい方の値を表示
前の終値>前のTrailing_Stop_Lossかつ直近の終値>直近のTrailing_Stop_Lossの場合
Trailing_Stop_Loss=前のTrailing_Stop_Lossと(直近の終値-Deltastop)の内、大きい方の値を表示
終値が前の「Trailing_Stop_Loss」を超えると、インジケーターがトレンドの転換を検出し、損切り水準の表示も切り替わります。
トレンド相場ではうまく機能しているように見受けられますが、価格に対してそれなりに余裕のある水準に表示されるため、タイトに動くトレーリングストップが好みの方には向いていないと言えます。
Trailing_Stop_Lossを表示する方法
まずはインジケーターを入手しましょう。下記リンクからダウンロードして下さい。
Trailing_Stop_Lossのダウンロード先は以下となります。
※幣サイトではなく別サイトへのリンクが開きます。
MT4のインジケーター追加(インストール)の手順を説明ページを作ってみました。追加(インストール)手順が分からないという方はご参考下さい。
Trailing_Stop_Lossのパラメーター解説
インジケーター挿入時または表示済みのインジケーターを右クリックで表示されるウィンドウの「パラメーターの入力」から設定できます。
入力項目 | 入力内容 |
Mode |
Deltastopの算出モード 初期値:0 0以外の値に設定するとATRを使用せずにトレーリングストップの水準を算出します。 |
DeltaPrice |
終値からの値幅 初期値:0.003 終値からトレーリングストップまでの値幅を設定します。 |
「Mode」は、トレーリングストップの水準を算出する際に、ATRを使用するかどうかを設定するための項目で、0以外に設定した場合ATRを使用せずに終値から一定の水準にトレーリングストップの水準を表示します。
「DeltaPrice」は「Mode」を0以外に設定したときに、トレーリングストップを終値からどの程度離すのかを設定するための項目です。
まとめ
「Trailing_Stop_Loss」について解説してきましたが、ポイントをまとめると以下のようになります。
トレーリングストップを表示するインジケーター。
ATRを用いてトレーリングストップの水準を算出するモードと、固定値を用いる2種類のモードがある。
「Trailing_Stop_Loss」は、ボラティリティの変化に対応できるトレーリングストップを使用したい方に向いているインジケーターです。
ノイズに引っ掛かりにくいトレーリングストップを探している方は、一度試してみるとよいでしょう。