イエレン議長『労働市場は過去10年ほどの中で最も力強い状態にある』との発言も金融政策への言及はナシ
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12月19日の為替相場は材料が乏しい中、イエレンFRB議長がボルティモア大学での講演の中で『アメリカの労働市場は過去10年ほどの中で最も力強い状態にある』との認識を示しました。また、賃金の伸びが加速している兆候が見られる一方、生産性の伸びは鈍く『失望させられる』との発言をしていますが、金融政策への直接の言及はなかったようです。
労働市場に対する言及があった事で、少しドルが買い戻される格好となっています。
ドル/円
上の画像はドル/円1時間足チャートです。
■始値:117.953
■高値:117.960
■安値:116.539
■終値:117.085
-86.8pips(高値から安値:142.1pips)
12月19日のドル/円は、終日下落基調での推移となりました。一時『116.539』を付ける場面もありましたが、引けにかけて戻して117代で引けています。
チャートに引いた黄色のラインは、12月14日~15日にかけての上昇に対して、フィボナッチリトレースメントをあてたものですが、俯瞰すれば概ね50%戻し程度の水準で一旦下げ止まっています。
中期トレンド(オレンジ色の波)は上昇トレンドの状態にある中で、短期トレンド(青いラインの波)は高値・安値共に切り下げている状態にあり、ダウ理論的には下落トレンドの形状を維持しています。
基本的に中期トレンドに対する押し目買い狙いが基本的な戦略でしたが、短期トレンドが下落トレンドの形状を崩す局面がありませんでしたので、エントリーチャンスはありませんでした。短期下落トレンドが崩れる局面があるのか?に要注目です。
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
114.883
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近安値。このプライスを下抜くと中期上昇トレンドが終了する。
115.389
12月13日~12月14日にかけて形成していたレンジの上限。
115.975
12月12日に付けた高値ライン。
118.561
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近高値。中期上昇トレンドが継続していく為には、このプライスを上抜く事が必要。
本日に関してですが、引き続き押し目買いのチャンスを探って行くという事で良いかと思います。
ユーロ/円
上の画像はユーロ/円1時間足チャートです。
■始値:123.138
■高値:123.224
■安値:121.672
■終値:121.766
-137.2pips(高値から安値:155.2pips)
12月19日のユーロ/円は、終日にわたって下落基調での推移となりました。
昨日の記事で、白い楕円で囲った部分の波の見方には以下の2つの見方があるというような事を書きました。
1. この波を短期トレンドの波として考えるのであれば、短期トレンドが上昇方向へ折り返している最中と取れる
2 .この波を中期トレンドの波と考えた場合、中期トレンドがトレンド転換しつつある状況と捉えることが出来る
昨日の寄り付きの時点では、どちらであるのか?と言う事について解を求める事は出来なかったわけですが、結果的には『2』であったという事になろうかと思います。
それでは、どの時点で『2』であったという判断が付いたか?と言う事ですが、赤い楕円の部分『CP1』において、短期トレンド(青い波)が下落トレンドの形状を確定させた時点で、『2』であったという確信を持つ事が出来ます。同時にショートのエントリーを検討すべきと言う事になりますが、『CP1』において緑の水平線を下方にブレイクし、戻ってきたタイミングである『EP1』でのショートが考えられました。
エントリーの形としては、安値ブレイク後のプルバックを狙ったエントリーと言う事になりますが、この場合のエントリーにおいては、そういったテクニック的な事よりも、中期トレンド(オレンジ色の波)の形状把握の方が重要で、中期トレンドが高値切り下げの形になったという事を認識できたかどうか?が重要です。
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
122.748
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近安値のライン。
123.959
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近高値のライン。下落の起点となった高値
本日に関しては、戻り売り方針で臨むという事で良いかと思います。
ユーロ/ドル
上の画像はユーロ/ドル1時間足チャートです。
■始値:1.04372
■高値:1.04787
■安値:1.03918
■終値:1.04013
-35.9pips(高値から安値:86.9pips)
12月19日のユーロド/ルは、寄り付き~欧州時間OPにかけて上昇、一時『1.04787』を付ける場面もありましたが、1.05000には乗せられずに反落、1.04000近辺で引けています。
白い楕円で囲った中期トレンド(オレンジ色の波)の値動きは、ダウ理論的に言えば、上昇トレンドの形状になっていると言えます。
この中期トレンドを分解すると青いラインの短期トレンドのように分解出来るわけですが、『EP1』のポイント等は、押し目買いを狙って行っても良いように見えるポイントです。
ここでエントリーした場合、少し含み益が乗ったもののすぐに反落してきて、損切りになってしまった可能性が高いと考えられますが、中期トレンドの3波もしくはC波を獲りに行くという明確な意図を持ってのエントリーという事は言え、結果論としてC波が伸びきらずに損切りになったというエントリーですので、しっかり損切りが出来たのであれば、悪いエントリーではないと言えます。
ただ、あえて言うなら、ユーロ/円の値動きを併せ見るとユーロ買いの状況ではなかったと言う所を見て総合的に判断を降す事が出来れば、しなくても良かったエントリーとも言えます。同時にいくつかのポジションを持つかどうかは個々のルール次第ですが、エントリーに至る最終的な判断として、通貨強弱の視点を持つと無駄撃ちを減らす事に繋がりますので、通貨強弱を意識して行く事を心掛けると総合的な収益状況が向上すると思います。
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
1.06543
FOMCによる下落の起点となったプライス。
1.04751
直近の中期上昇トレンドの高値。
1.04090
直近の中期上昇トレンドのラス押し安値
1.03733
12月15日安値
直近の中期上昇トレンドが崩れています。やや下目線気味で戻り売りのタイミングを狙って行くという事で良いかと思います。
本日について
本日は、以下のような経済指標の発表が予定されています。
09:30 【オーストラリア】豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
15:30 【日本】黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
16:00 【スイス】11月貿易収支
18:00 【ユーロ】10月経常収支
22:30 【カナダ】10月卸売売上高(前月比)
また、本日は今年最後の日銀の金融政策決定会合(2日目)が行われ、終了後に政策金利の発表等が予定されています。