トランプ大統領自ら口先介入。日中欧もれなく金融政策を批判
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日銀は30~31日に開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を賛成多数で決めました。
会合結果と同時に公表した1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2016年度と17年度の経済成長率見通しを上方修正しましたが、2%の物価目標の達成時期は「18年度ごろ」とした従来見通しを維持しています。
会合後の会見で黒田総裁は、「企業収益は過去最高水準に近く、雇用はさらにタイトになっている。春闘において賃金が上昇していくという基盤は整っている」と述べ、賃上げへの期待感を示しました。
黒田日銀の最終的な目標を達成する為には、『賃上げ→購買力増大→経済拡大』という図式を作らなければいけないわけですが、金融政策によって企業業績を向上させ、株高の流れを作っても企業が賃上げも設備投資もせず、ただ内部留保を溜めこむという事では、日銀と言う心臓が送りだした血液(お金)が末端まで巡っていないという事になってしまいます。
個人的には、金融政策だけでは賃上げを促していくフェイズにおいては対応が困難な部分もあるように思われ、むしろ労働政策をどう打ち出していくのか?と言う事なのではないかと言う気もします。
昨日は色々な事があった一日でしたが、トランプ大統領の発言も飛び出しています。
トランプ大統領は、大手製薬会社の首脳と会談し、『メディケア(高齢者向け公的医療保険)やメディケイド(低所得者向け公的医療保険)など、価格を引き下げる多くの理由があり、他に選択肢はない』と発言、薬価が桁外れに高いとの認識を示しました。
その上で、他国の通貨切り下げを受けて製薬会社による生産の外部委託が加速したと指摘、中国がやっていること、日本がやってきたことについて、通貨安を誘導していると指摘しました。
また、米国家通商会議のナバロ委員長は、ドイツが『著しく過小評価されたユーロ』を利用して米国や他の欧州諸国に対して優位に立っているとの見方を示すなど、貿易相手国の通貨政策を批判する発言が相次いで出ました。
日中欧もれなく批判しており、そういう意味では公平(?)と言えるのかも知れませんが、ドル高・他国通貨安はお望みで無いという事になろうかと思います。
ドル/円
上の画像はドル/円1時間足チャートです。
【ドル/円の値動き】
始値:113.734
高値:113.956
安値:112.072
終値:112.785
-94.9pips(高値から安値:188.4pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
113.103~113.857
チャート画像緑の点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯でしたが、1月31日の値動きによって下方にブレイク。サポレジ転換の可能性がありますが、過信は禁物。
113.476~113.924
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
114.336~114.802
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
114.594~115.247
チャート画像ピンクの点線のボックス
短期下落トレンドの抵抗帯。
115.490
チャート画像ピンク点線の水平線
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近高値。
1月31日のドル円相場は、トランプ大統領・米当局者の発言等もあり、下落の流れでの推移となりました。
『112.535』のサポートラインを僅かに下抜けたものの引けにかけて反発しており、112代中盤~115代中盤のレンジという状況を崩すと言う所までは至っていない状態にあります。
中期トレンド(オレンジ色の波)は、引き続きトレンドレスの状態にあり、いわゆる簡単な相場という状況ではありませんが、今週は、FOMC・米雇用統計と重要イベントが続きますので、イベント通過まで触らないという事であっても、良いかと思います。
ユーロ/円
上の画像はユーロ/円1時間足チャートです。
【ユーロ/円の値動き】
始値:121.634
高値:122.246
安値:121.003
終値:121.746
+11.2pips(高値から安値:124.3pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
121.221
チャート画像青い点線の水平線。
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近安値。
121.417~122.027
チャート画像ピンクの点線のボックス。
短期下落トレンドの抵抗帯。
122.718~122.867
チャート画像ピンクの点線のボックス。
短期下落トレンドの抵抗帯。
123.214
チャート画像ピンク点線の水平線。
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近高値。
1月31日のユーロ円相場は、トランプ大統領や米当局者の発言等によって下落する局面もありましたが、引けにかけて反発、日足ベースでは陽線で引けています。
俯瞰すれば、終値で『121.221』のラインを破ることは出来なかったという形になっています。
ユーロ/ドル
上の画像はユーロ/ドル1時間足チャートです。
【ユーロ/ドルの値動き】
始値:1.06925
高値:1.08115
安値:1.06839
終値:1.07964
+103.9pips(高値から安値:127.6pips)
サポートライン・レジスタンスラインとして注目されてきそうなプライスとしては、以下のプライスが考えられます。
1.06844~1.06265
チャート画像青い点線のボックス
短期上昇トレンドの支持帯。
1.06639~1.07359
チャート画像緑の点線のボックス
短期下落上昇トレンドの抵抗帯だったが、1月31日の値動きによって上方にブレイク。サポレジ転換の可能性アリ。
1.07715
チャート画像ピンクの点線の水平線
中期トレンド(オレンジ色の波)の直近高値。
1月31日のユーロドル相場は、トランプ大統領・米当局者の発言等もあり、上昇の流れでの推移となりました。
俯瞰すれば、『1.06844~1.06265』の抵抗帯の下辺がサポートとなって、上昇してきた形となっていますが、中期トレンド(オレンジ色の波)は上昇トレンドの形状にあります。
本日発表の経済指標等
本日は、以下のような経済指標の発表が予定されています。
時間未定 【英国】 英中銀金融政策委員会(MPC)1日目
06:45 【オーストラリア】 10-12月期四半期失業率
10:00 【中国】 1月製造業購買担当者景気指数(PMI)
17:30 【スイス】 1月SVME購買部協会景気指数
18:00 【ユーロ】 1月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:30 【英国】 1月製造業購買担当者景気指数(PMI)
21:00 【米国】 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
22:15 【米国】 1月ADP雇用統計(前月比)
24:00 【米国】 12月建設支出(前月比)
24:00 【米国】 1月ISM製造業景況指数
28:00 【米国】 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
本日はFOMC終了後製作金の発表が行われます。