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日銀金融政策決定会合。YCCとインフレ目標に注目

更新日時:

1月16日のドル円相場は日銀金融政策決定会合を控えてポジション調整の買いが優勢となりました。

ドル円の値動き(2023年01月16日)

始値:127.770

高値:128.856

安値:127.217

終値:128.538

+76.8(高値から安値:1.639pips)

2023年01月16日発表の経済指標

時間 経済指標 前回 予想 結果
---- 米国 休場 前回-- 予想-- 結果--
8:50 日本 12月国内企業物価指数(前月比) 前回0.6% 予想0.2% 結果0.5%
8:50 日本 12月国内企業物価指数(前年同月比) 前回9.3% 予想9.5% 結果10.2%
22:30 カナダ 11月製造業出荷(前月比) 前回2.8% 予想0.5% 結果0.0%
24:00 英国 ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言 前回-- 予想-- 結果--

2023年01月13日の要人発言

米アトランタ連銀のボスティック総裁

CBSニュースは、米アトランタ連銀のボスティック総裁が昨年12月の米消費者物価指数統計を受けて、次回FOMCにおけるこれまでより小幅の利上げを支持する方向に傾いていると述べたと報じている。「0.25%利上げでも違和感は抱かない」と指摘したという。

自民党の世耕弘成参院幹事長

ブルームバーグによると、自民党の世耕弘成参院幹事長は、日本銀行が昨年12月に決定した長期金利の変動幅の上限引き上げは金融政策の転換ではないとの見方を示した上で、潜在成長力が伸びていない中では現在の緩和を継続することが重要だと述べた。

13日のインタビューで語った。世耕氏は日銀が長期金利(10年国債金利)の許容変動幅を従来の上下0.25%程度から同0.5%程度に拡大したことは、「現状を追認的に修正したにすぎない」と指摘。「イールドカーブを正常にする努力」であり、金融緩和などを柱としたアベノミクスの「完成に向けた努力が継続されている」との見方を示した。

日銀は17、18両日に金融政策決定会合を開くが、安倍晋三元首相の側近としても知られた世耕氏が会合を前に改めて緩和継続への支持を示した形だ。

世耕氏は現在の経済状況に関しては、海外のインフレによる影響で特定の物価が上昇しているが、デフレマインドは解消されていないと分析。「賃金が上がり、期待インフレ率が上昇して初めて消費が動き始める」として、春闘を控えた今がデフレ脱却の「正念場」だと述べた。

松野官房長官

ロイター通信によると、松野博一官房長官は16日午後の記者会見で、17─18日開催の日銀金融政策決定会合について、政府としての立場からあらかじめ何かを申し上げることは控えたいとした。その上で「今後とも日銀には経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、適切に金融政策運営を行われることを期待する」と述べた。

10年国債の金利が日銀許容変動幅の上限である0.5%を超えたことに関しても「国債金利の動向についてコメントすることは、市場に無用の混乱生じさせかねない」とし、コメントを控えた。

ネバティ・トルコ財務相

「トルコのインフレは2023年も鈍化し続ける」「CPIとPPIのスプレッドは12月時点で縮まった」

レーン・フィンランド中銀総裁

「次回会合で大幅利上げを見込む」

ドル円の日足分析(2023年01月17日)

ドル円日足

ドル円の日足の形状は22年10月下旬から続く『高値安値切り下げ』の下落トレンドの形状を維持していますが日銀の金融政策決定会合を控えてのポジション調整の思惑から買い戻しが入っています

ドル円の1時間足分析(2023年01月17日)

ドル円1時間足

ドル円の1時間足は赤い枠のレンジの中での値動きとなっています。

若干、ファンダメンタル的なお話をしたいと思うのですが、今回の日銀政策決定会合では大きく二つのファクターに注目が集まっています。

YCC許容幅が更に修正されるか?

YCC=長期国債が売られて長期金利が日銀の指定した値を超えた時には日銀が国債の買い入れを行う(指値オペ)事で長期金利の上限を調整するというものです。

12月20日に0.25%→0.5%に変更された事で日本国債の売りが進みました。年が明けてからは10年債利回りが0.5%を超える場面が何度か確認されています。

これは18日の日銀金融政策決定会合で更なる修正があるのではないか?という思惑から日本国債の売りが進んでいるためです。

こういった修正が行われると色々な予想とかが出てくるもので、YCCコントロール自体をやめるんではないか?とか黒田総裁の退任までに許容幅が1%くらいになるんではないか?みたいな予想も出たりしています。

中央銀行の政策修正をする場合、事前に織り込ませてからマイルドに政策修正を行うパターンと抜き打ちでやるパターンがあるのですが、黒田総裁はサプライズが好みであるのか、前回の会合ではかなりのインパクトがありました。

市場は連続で修正してくることにかなり期待しているように言えるので、今回の会合でも連続で修正してくるかに注目です。

市場で予想されているのは変動幅の再拡大ですが、一番のサプライズはYCC撤廃と言う事になるかと思います。

仮に政策修正がなかった変更がなかった場合、それでこの話は終わりと言う事にはならないので次回以降の会合での政策修正期待とか圧力と言ったものは残るので、声明の中にその辺りについての見解があるかどうかにも注目です。

もうひとつの注目材料は物価目標が修正されるか?という点です。

18日の日銀金融政策決定会合では声明並びに展望が発表されます。世界的にインフレが進む中で物価目標の上方修正が入るか?に注目が集まっています。

そもそも、日銀の異次元緩和は物価の上昇率(コアCPI)を2%まで上昇させるという事を目標として実施されているものです。

政策の結果ではなくロシアのウクライナ侵攻などの外的要因で物価が上昇してしまったのは皮肉な事ですが食料品を除くコアCPIは昨年11月時点で3.7%程になっています。

そして今週発表される12月のコアCPIの予想値は4%程度の予想となっていますので、日銀の目標値の倍くらいまでインフレが進んでいます。

そう言う意味では目標は達成したと言えるわけですが、黒田総裁は金融緩和を継続させると言っているのに今年のインフレ率は低下すると発言しています。

金融緩和というのは市場に流通するお金をバンバン増やす事で物価を上昇させる効果を狙ったものであるので、『金融緩和を継続させるのにインフレ率下がるの?』という疑問を感じます。

これを聞くと金融緩和を継続ってのは一種の欺瞞で緩和が近く終了するからインフレ率が下がるって事なんじゃないの?と勘ぐりたくもなってきます。

これを据え置くか上方修正が入るかで今後の金融政策の方向がどうなるか垣間見れる気もしますが、市場がどう反応するか・・・は正直な所分かりません。

仮に上方修正されたとして、『金融緩和継続なのね』って事で素直に円安となるのかそれとも市場が他の可能性・・・例えば政策修正の可能性を考えて円高になる・・・みたいな事もないと言えません。

一般的には現状維持なら円安、政策変更なら円高と言われていますが、時として違う反応が出る事もあるので発表前からどちらかに張るような取引は避けるようにしましょう。

2023年01月17日発表の経済指標

時間 経済指標 前回 予想 結果
---- 日本 日銀・金融政策決定会合(1日目) 前回-- 予想-- 結果--
8:30 豪州 1月ウエストパック消費者信頼感指数 前回80.3 予想-- 結果84.3
11:00 中国 12月小売売上高(前年同月比) 前回-5.9% 予想-8.6% 結果--
11:00 中国 12月鉱工業生産(前年同月比) 前回2.2% 予想0.2% 結果--
11:00 中国 10-12月期四半期国内総生産(GDP)(前期比) 前回3.9% 予想-0.8% 結果--
11:00 中国 10-12月期四半期国内総生産(GDP)(前年同期比)  前回3.9% 予想1.8% 結果--
13:30 日本 11月第三次産業活動指数(前月比)  前回0.2% 予想0.1% 結果--
16:00 英国 12月失業保険申請件数  前回3.05万件 予想-- 結果--
16:00 英国 12月失業率  前回3.9% 予想-- 結果--
16:00 英国 11月失業率(ILO方式)  前回3.7% 予想3.7% 結果--
19:00 ユーロ圏 1月ZEW景況感調査 前回-23.6 予想-- 結果--
22:15 カナダ 12月住宅着工件数 前回26.42万件 予想25.75万件 結果--
22:30 米国 1月ニューヨーク連銀製造業景気指数 前回-11.2 予想-8.7 結果--
22:30 カナダ 11月対カナダ証券投資額 前回84.6億CAD 予想-- 結果--
22:30 カナダ 12月消費者物価指数(CPI)(前月比) 前回0.1% 予想-0.5% 結果--
22:30 カナダ 12月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) 前回6.8% 予想6.4% 結果--