米卸売物価指数好調でドル円は6か月ぶりの112円台
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7月11日の金融市場は株は小幅安、米国債利回り低下、金も売られる結果となっています。
為替市場では、好調だった6月の米卸売物価指数が注目されドルが上昇し、対円では1月以来の112円台乗せとなっています。
米中貿易戦争懸念が取りざたされている割にはドルが買われるという展開となっています。米中貿易戦争については、今後も時折顔を出す材料となってくるかと思われますが、材料難の時に思い出したように材料視されて急落・急騰と言った事もあるかもしれません。
ドル/円
日足
1時間足
※タブで日足・1時間足を切り替えられます。
ドル/円の値動き
始値:110.979
高値:112.165
安値:110.759
終値:111.983
+100.4pips(高値から安値:140.6pips)
ドル/円の解説
【日足】
7月11日のドル円の日足の形状は、大陽線となりました。
この所、『108.746』のサポートラインと『111.032』・『111.283』のレジスタンスラインに挟まれた白い網掛けのゾーンをどちらへ抜けていくかを見ていくという事を書いてきたのですが、昨日の値動きによって同ゾーンを上方にブレイク、損切りが発火して大きく上昇という格好になったという事かと思われます。
トレードして勝ったか?あるいは含み益の乗っているポジションを保有出来ているか?という事もトレーダーである以上は大切な事なのですが、ある意味ではそれ以上に大切な事として、しっかりとゾーニングして買い方・売り方それぞの損切りがどこに入っていそうか?の目星が付けられていたか?という事が挙げられます。
それが分かっていて取れたのであれば言う事ありませんし、入れなかったのであればテクニックの問題という事になります。
逆に売り目線で見てた人の場合は、入った場所はゾーンの上限付近であったか?真ん中付近だったのか?波形の観点からするとどうだったのか?損切りが出来たかどうか?という事がチェックポイントという事になってきますので、勝った人(含み益が乗っている人含む)も負けた人もトレードを点検しておきましょう。
【1時間足】
日足のレジスタンスライン『111.032』・『111.283』付近の値動きという状況の中で、売るのであれば白い波が反転してからか日足のレジスタンスライン『111.283』付近での逆張り、買うのであれば赤い楕円で囲った上昇の片波に対する押し目買いもしくは赤い楕円で囲った上昇の片波の高値ブレイクと言った所であったかと思います。
重複になりますが、箇条書きしておくと・・・
【売る場合】
1. 白い波が反転(直近安値ライン『110.832』を下抜く)してから
この場合の損切りはその前の展開次第でしたので、白い波の反転が起こらなかった現時点では何とも言えません。
2. 日足のレジスタンスライン『111.283』付近での逆張り
日足のパートでも述べたゾーンの上限付近での逆張りとなります。この場合の損切りは『111.283』の少し上あたり。結果的にそう考えている人が多かった為に損切りが大量に発火、大きく上昇していきました。
【買う場合】
1. 赤い楕円で囲った上昇の片波に対する押し目買い
直近の上昇に対する押し目買いをしていこうという事で、考え方としては比較的スタンダードな考え方となります。
黄色の水平線は『110.367』~『111.307』までの上昇に対してフィボナッチリトレースメントをあてたものになります。
こうしてみると50.0%戻しライン(110.837)の辺りから反発している事が見て取れますが、これはあくまでも結果としてそうなったというだけで、実際に目安として見る事が出来たサポートラインは61.8%戻しライン(110.726)と重なるレベルにあった『110.733』の方だったかというように思います。
ただ、『110.733』には微妙に届いておらず、ここをどう捉えるか?が課題だったと言えようかと思います。
ここの部分を短期足(5分足)で見ていくとエントリーを検討すべきタイミングがあるのですが、それについては動画で解説をしたいと思います。
2. 赤い楕円で囲った上昇の片波の高値ブレイク
赤い楕円で囲った上昇の片波の高値ブレイクを狙う場合、今回については抜ける際の勢いが強く、プルバックも入らなかった為、入るのであれば飛び乗りで入るしかなかったと思います。
プルバックを待ちたい派の人は指を咥えて見ているしかなかったという事になりますが、それは仕方のない事ですので変な色気を出さずにきっぱり諦めるという事で良かったかと思います。
ちなみに高値ブレイクで入った場合の損切りについては、チャート画像のピンクの楕円の安値の少し下あたりという事で良いかと思います。
このように売買共に概ね2つくらいのエントリーが想定されたという事が言えようかと思います。
この4つのエントリーポイントは中にはそのタイミングが出現しなかったものもあり、売りのトレードは結果論からすると負けてしまったという事になるわけですが、どれもがそれなりにエントリーに至る理由があり、売りのトレードにしても悪い考え方ではないと言えます。
ここで大事な事は、自分を最初から売り方・買い方どちらかの陣営に置くのではなく、売る人・買う人はそれぞれどういうタイミングで入ってくるのか?その場合の損切りはどこなのか?という事を考えた上で入り、入った結果として負けた場合=損切りがついた場合に起こりえる相場環境の変化はどういうもので、その場合には損切りした後、ドテンも考え得るのか?という事を含めたセカンドプランを持てたか?という事になります。
自分のポジション、自分の見方を整理しておく事は大切な事ですが、自分以外のトレーダーが取り得る選択肢を事前に考え、それを踏まえて二手三手先を考えておけば、損切り出来ないという事もなく、良い意味で自分のポジションに対するこだわりを無くす事が出来ますので、刻々と変化していく相場状況を踏まえながら予測を立てていくようにしましょう。
ユーロ/円
日足
1時間足
※タブで日足・1時間足を切り替えられます。
ユーロ/円の値動き
始値:130.331
高値:130.948
安値:129.899
終値:130.700
-36.9pips(高値から安値:104.9pips)
ユーロ/円の解説
【日足】
7月11日のユーロ円の日足の形状は、上下共にヒゲがあり、下ヒゲの方が長い感じの陽線となりました。
オレンジの波ベースで見ていくと、高値・安値切り下げの下落トレンドの形状にありますが、白い波ベースで見ていくとピンクの楕円で囲った部分は高値・安値切り下げの下落トレンドになっており、ラス戻り高値は『130.925』となっています。
青い楕円で囲った部分は安値・高値切り上げの上昇トレンドの形状にあり、ラス押し安値は『127.355』となっています。
白い波ベースで見た際には、下落トレンドと上昇トレンドがぶつかり合っている状況にあり、それぞれのラス押し安値・ラス戻り高値で形成されるゾーン=白い網掛けのゾーンをどちらかに破る事によって、波のぶつかり合いに決着が着くという構図になっています。
一回り大きなオレンジ色の波も加味するとどうなるか?といった視点もあるわけですが、当面は白い網掛けのゾーンをどちらへ抜けるか?に注目していくという事で良いかと思います。
【1時間足】
7月11日のユーロ円は、前日の引け間際の急落を戻すという展開で、比較的荒っぽい感じの値動きとなりました。
この所のユーロ円の値動きを追っていくと波はあるものの押しが浅い感じが否めず、波をどう描くかに苦慮する感じの値動きになっています。
こういう時は、安易に見切る事がそのまま損切りに直結してしまう公算が高いので、サポレジ付近での波の折り返しを見る際に折り返したと確信出来るまでしっかり見ていく事が肝要となります。
ユーロ/ドル
日足
1時間足
※タブで日足・1時間足・短期足を切り替えられます。
ユーロ/ドルの値動き
始値:1.17417
高値:1.17574
安値:1.16646
終値:1.16707
-71.0pips(高値から安値:92.8pips)
ユーロ/ドルの解説
【日足】
7月11日のユーロドルの日足の形状は、大き目の陰線となりました。
オレンジの波の直近高値ライン付近から反落して、白い波のダブルボトムのネックラインで支えられずに下抜けています。
【1時間足】
7月11のユーロドルは、非常に荒っぽい値動きとなりました。
結局は売りだったわけですが、重要なレジスタンスラインに届かず、ラス戻り高値と思われたラインを微妙に上抜けてから急落等、非常にやりにくい値動きをしています。
切ってしまった後に下がってしまって悔しい思いをした人もいるのかな?というような値動きでしたが、日足の形状がレンジになりつつありますので、それ故の難しさといった所かというように思います。
参考ページ:ドル円・ユーロ円・ユーロドルのサポレジを毎日更新!
本日発表の経済指標等
本日は、以下のような経済指標の発表が予定されています。
08:01【英国】6月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
08:50【日本】前週分対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)
08:50【日本】前週分対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
18:00【ユーロ】5月鉱工業生産(前月比)
21:30【米国】6月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
21:30【米国】前週分新規失業保険申請件数
21:30【米国】6月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
21:30【米国】6月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
21:30【米国】6月消費者物価指数(CPI)(前月比)
21:30【カナダ】5月新築住宅価格指数(前月比)
27:00【米国】6月月次財政収支